米本陳述書(4)
米本陳述書(4)
最後に、お願いの訴えを述べておきます。
統一教会は、信者が高額の献金をしたり、正体を隠して勧誘するなどの問題点があり、社会的に批判されてもいい教団です。
しかし、問題があるからといって信者を監禁し、監禁下で説得していいという理由にはなりません。
後藤徹さんは、31歳から44歳まで、外の世界に一歩も出ることなく、監禁場所で過ごしてきました。文字通り、物理力をもって青春が奪われたのです。こんなひどいことが許されていいはずがありません。
これまで、ルポの表(月刊『現代』288頁)にある富澤裕子さん、寺田こずえさん、元木恵美子さん、今利理絵さんはそれぞれに脱会説得者を刑事告訴しています。
その結果、牧師の高澤守(富澤さん、寺田さんの監禁に関与)、牧師の松沢裕とその妻(元木恵美子さんの監禁に関与)が起訴猶予で不起訴処分、牧師の黒鳥・清水(今利理絵さんの監禁に関与)が嫌疑不十分で不起訴処分になっています。
20歳以下の少年ではなく、成人の拉致監禁に関わりながら、不起訴は論外としても起訴猶予処分とは、日本ははたして法治国家なのかと、ただただ驚くばかりです。
どうか厳格かつ厳正に捜査が行なわれ、起訴されることを望みます。
起訴された場合、検察が刑法に基づいた刑罰を求刑することを望みます。
これから捜査されるにあたって、次のことに留意してください。
宮村峻は立ち話の中で、
「後藤はどうせ訴えてくるに違いない。だから、俺が監禁にかかわったかどうかは法廷の場ではっきりさせる」
と私に語っていました。
おそらく、後藤さんの家族から徹さんを追放したという報告を聞いて、宮村は後藤徹さんが刑事告訴、民事提訴することを覚悟したと思います。
明治大学法学部を卒業し、司法試験の勉強をしていたこともあるという宮村ですから、当然、起訴されないように手を打ったと思います。
その一つは、関係者全員で「監禁はなかった」「ただ宮村さんたちが脱会説得に訪れただけだ」と口裏を合わせることです。おそらく監禁の証拠はすべて隠滅したでしょうから、全員で「監禁はなかった」といえば、警察が監禁の立証を行なうことは困難だと見通していると思います。
もう一つは、仮に監禁を認めるとしても、宮村たちは監禁されていることは知らなかった、後藤さんの家族がやむにやまれず「保護した」と口裏を合わせることです。
これまでたくさんの拉致監禁事件が起きていますが、家族の判断で、家族自ら自分の子どもを監禁することはありません。脱会説得者たちはそれぞれに勉強会を組織しており、信者家族に対してこう教え込んでいます。
「統一教会の信者は、脱会説得者が説得にくると逃げるようにマインドコントロールされている。そのため、信者を説得するには『保護』(拉致監禁)するしかない。子どものことをほんとうに愛しているのなら、子どもを保護しなければならない。保護する以外、脱会させることはできない。保護をするのは家族が主体的にやったというようにしなければならない」
このように教え込んで、家族が拉致監禁することを指示し、拉致監禁が発覚した場合には家族自らの意思で「保護」したことにするのです。北海道から九州まで、驚くほどワンパターンです。
私が憂慮するのは、警察の皆様方が「親が子どもを監禁したのは子どものことを心配してのことだ」という同情の気持ちを持たれることです。そのような気分に仕向けるのも、拉致監禁を行なう人たちの手口であり、全国的に行なわれているワンパターンの一つです。
「子ども」といっても、後藤徹さんは監禁されたときは31歳でした。
構図は、31歳の成人男性が統一教会の信仰者を持ち、その親たちはそれに反対する?という単純なものです。反対するのであれば、折りを見て、意見を闘わせればいいだけのことです。監禁する必要も必然性もありません。
もしこんなことが同情されるのであれば、成人の子どもを監禁してすべて親の希望通りの人間にすることができます。
突拍子もないように聞こえるでしょうが、反権力、反警察の親が、現職警察官の子を監禁し、専門家を呼んで警察の不祥事を一方的に示し、辞職しない以上何年間でも監禁し続けることが可能なのです。
私が拉致監禁問題に関心を抱くのは、本質的なところで、拉致監禁によって親の希望通りの子供にすることができるという点にあります。(注)
このことに留意して、厳格な取り調べが行なわれることを希望しますし、関係者の口裏合わせなど証拠隠滅の疑いがあれば、逮捕、拘留しての取り調べが必要かと思います。
出すぎたことを書いたかもしれません。その点は後藤徹さんの12年間余りの青春を奪った怒りの声だとしてどうかご寛恕してください。
以 上
(注)この部分の記述は『我らの不快な隣人』のプロローグを読んでいただければ意味がより理解できると思います。ここでは反警察の親と警察官の子どもというたとえを書きましたが、理系を勧める親と文系に進もうとする子ども、統一教会の親と二世合同結婚式をいやがる子どもなど、どんな事例でも同じです。拉致監禁という非常手段を取れば、親のどんな価値観にも子どもを従わせることができる?ということを言いたかったのです。
これで私の陳述書は終わります。次回は、告訴状をアップします。
- [2009/06/19 19:37]
- 後藤徹・監禁事件の資料 |
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コメント
問題の本質
KHさんへ
KHさんへ
現行憲法の保証する信教の自由はあくまでも公法としてであり、私法ではありません。ですから、戦わなければなりません。そうしてこそ、絵に描いた餅が本物になります。
裁判の判決文
12年間の拉致監禁というのは、常識的には、誰かが処罰を受けそうなものですが、そうなっていないということは、そこにどのような判断などがあったのか、知りたいです。
ご回答
事実経過は、後藤さんが告訴し、荻窪警察署が東京地検に送致した。東京地検は不起訴処分にした。
これに対し後藤さんは、地検審査会に不服申立の申請を行った。同審査会は後藤さんの申立を棄却した。
棄却文の全文は参照リンクの注目サイトに掲載している「宮村峻の研究」を読んで下さい。
後は民事?
できれば、裁判で明確にして欲しかったですが、検察、検察審査会に訴えてダメだったとなると、後は民事しかないですが、民事の時効はあと1カ月程のようですね。
Re:後は民事?
最後に、お願いの訴えを述べておきます。
統一教会は、信者が高額の献金をしたり、正体を隠して勧誘するなどの問題点があり、社会的に批判されてもいい教団です。
しかし、問題があるからといって信者を監禁し、監禁下で説得していいという理由にはなりません。
後藤徹さんは、31歳から44歳まで、外の世界に一歩も出ることなく、監禁場所で過ごしてきました。文字通り、物理力をもって青春が奪われたのです。こんなひどいことが許されていいはずがありません。
これまで、ルポの表(月刊『現代』288頁)にある富澤裕子さん、寺田こずえさん、元木恵美子さん、今利理絵さんはそれぞれに脱会説得者を刑事告訴しています。
その結果、牧師の高澤守(富澤さん、寺田さんの監禁に関与)、牧師の松沢裕とその妻(元木恵美子さんの監禁に関与)が起訴猶予で不起訴処分、牧師の黒鳥・清水(今利理絵さんの監禁に関与)が嫌疑不十分で不起訴処分になっています。
20歳以下の少年ではなく、成人の拉致監禁に関わりながら、不起訴は論外としても起訴猶予処分とは、日本ははたして法治国家なのかと、ただただ驚くばかりです。
どうか厳格かつ厳正に捜査が行なわれ、起訴されることを望みます。
起訴された場合、検察が刑法に基づいた刑罰を求刑することを望みます。
これから捜査されるにあたって、次のことに留意してください。
宮村峻は立ち話の中で、
「後藤はどうせ訴えてくるに違いない。だから、俺が監禁にかかわったかどうかは法廷の場ではっきりさせる」
と私に語っていました。
おそらく、後藤さんの家族から徹さんを追放したという報告を聞いて、宮村は後藤徹さんが刑事告訴、民事提訴することを覚悟したと思います。
明治大学法学部を卒業し、司法試験の勉強をしていたこともあるという宮村ですから、当然、起訴されないように手を打ったと思います。
その一つは、関係者全員で「監禁はなかった」「ただ宮村さんたちが脱会説得に訪れただけだ」と口裏を合わせることです。おそらく監禁の証拠はすべて隠滅したでしょうから、全員で「監禁はなかった」といえば、警察が監禁の立証を行なうことは困難だと見通していると思います。
もう一つは、仮に監禁を認めるとしても、宮村たちは監禁されていることは知らなかった、後藤さんの家族がやむにやまれず「保護した」と口裏を合わせることです。
これまでたくさんの拉致監禁事件が起きていますが、家族の判断で、家族自ら自分の子どもを監禁することはありません。脱会説得者たちはそれぞれに勉強会を組織しており、信者家族に対してこう教え込んでいます。
「統一教会の信者は、脱会説得者が説得にくると逃げるようにマインドコントロールされている。そのため、信者を説得するには『保護』(拉致監禁)するしかない。子どものことをほんとうに愛しているのなら、子どもを保護しなければならない。保護する以外、脱会させることはできない。保護をするのは家族が主体的にやったというようにしなければならない」
このように教え込んで、家族が拉致監禁することを指示し、拉致監禁が発覚した場合には家族自らの意思で「保護」したことにするのです。北海道から九州まで、驚くほどワンパターンです。
私が憂慮するのは、警察の皆様方が「親が子どもを監禁したのは子どものことを心配してのことだ」という同情の気持ちを持たれることです。そのような気分に仕向けるのも、拉致監禁を行なう人たちの手口であり、全国的に行なわれているワンパターンの一つです。
「子ども」といっても、後藤徹さんは監禁されたときは31歳でした。
構図は、31歳の成人男性が統一教会の信仰者を持ち、その親たちはそれに反対する?という単純なものです。反対するのであれば、折りを見て、意見を闘わせればいいだけのことです。監禁する必要も必然性もありません。
もしこんなことが同情されるのであれば、成人の子どもを監禁してすべて親の希望通りの人間にすることができます。
突拍子もないように聞こえるでしょうが、反権力、反警察の親が、現職警察官の子を監禁し、専門家を呼んで警察の不祥事を一方的に示し、辞職しない以上何年間でも監禁し続けることが可能なのです。
私が拉致監禁問題に関心を抱くのは、本質的なところで、拉致監禁によって親の希望通りの子供にすることができるという点にあります。(注)
このことに留意して、厳格な取り調べが行なわれることを希望しますし、関係者の口裏合わせなど証拠隠滅の疑いがあれば、逮捕、拘留しての取り調べが必要かと思います。
出すぎたことを書いたかもしれません。その点は後藤徹さんの12年間余りの青春を奪った怒りの声だとしてどうかご寛恕してください。
以 上
(注)この部分の記述は『我らの不快な隣人』のプロローグを読んでいただければ意味がより理解できると思います。ここでは反警察の親と警察官の子どもというたとえを書きましたが、理系を勧める親と文系に進もうとする子ども、統一教会の親と二世合同結婚式をいやがる子どもなど、どんな事例でも同じです。拉致監禁という非常手段を取れば、親のどんな価値観にも子どもを従わせることができる?ということを言いたかったのです。
これで私の陳述書は終わります。次回は、告訴状をアップします。
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