宮村の嘘は判事にはお見通しだぁ!
後藤勝訴判決文(1)
これから数回に分けて、後藤勝訴判決文の「第3 当裁判所の判断」を、注解と評価&感想を加えて掲載していく(人の呼称は、基本的に判決文と同じで敬称略)。なお、私は法律の専門家ではないので、できるだけ価値中立性を心がけて記するものの、評価の記述については参考程度にしてもらいたい。 原告・被告の地裁判決評価は控訴状で示されるだろう。
裁判官が判断の前提にしているのは、前回の記事末尾で説明した-
第1 請求
第2 事案の概要
1 本件の概要
2 前提となる事案
3 争点及び当事者の主張
-である。
これらは、「拉致監禁by宮村の裁判ブログ(」以下、裁判ブログ)の「後藤徹氏裁判判決文①ー被告宮村峻は、原告に対し、96万7822円支払え」と「後藤徹氏裁判判決文②-争点及び当事者の主張」で、全文紹介されている。
判決文を読みながら、この部分は原告、被告はどのように主張していたか分からなくなった場合、立ち戻って、クリックしてもらいたい。原告の主張は判決文①に、被告の主張は②に掲載されている。
「第2 事案の概要」は双方の主張をコンパクトにまとめたもので、よほどの重大な記載漏れがあれば別だが、控訴で問題になることはないと思う。控訴の対象となり、高裁で審議されるのは裁判所の判断のところである。
「第3 当裁判所の判断」の構成は次のようになっている。
第3 当裁判所の判断
1 前記前提となる事実に証拠
(1)裁判所が認めた原告,被告から提出された証拠,陳述書の内容
(2)裁判所が採用しない主張-ア 原告の供述について イ 被告宮村と松永の供述について
2 被告■<後藤徹氏兄>ら並びに被告松永及び被告宮村の原告に対する不法行為の成否について
3 損害賠償について
4 被告法人の使用者責任について
5 まとめ
(注1)(1)と(2)の表題は判決文にはなく、わかりやすくするために裁判ブログの世話人がつけたもの。
(注2)今回アップするのは、1 前記前提となる事実に証拠と、(1)裁判所が認めた原告,被告から提出された証拠,陳述書の内容-との間にある「証拠」に関する記述である。
(注3)判決文はすべて黒字。ただし、下線、ゴチックをつけたのは管理人。色字はすべて管理人である。文意をそこなわないことを前提に、適宜、改行、行空きを行った。
(注4)判決文の間に適宜、説明的な見出しをつけた。 むろん、これも色字。
(注5)「被告■<後藤徹氏兄>」の原文の■は実名で表記されている。<後藤徹氏兄>は裁判ブログの世話人が挿入したもの。ビジュアル的に煩雑なので、たんに「被告兄ら」と表記する。
(注6)裁判ブログには写真、証拠の写しなどが豊富に載せられている。ぜひ、同サイトの「判決文③」と、これからアップされる「判決文④」をときおりクリックして見ていただきたい。
(注7)このブログをアップしたあと、間違いを訂正することもあると思う。しかし、煩瑣になるのでいちいちコメント欄で「案内」は出さない。 ただし、読者を誤認させるような間違いだった場合、案内文を出す。
第3 当裁判所の判断
1 前記前提となる事実に証拠
(甲1から5まで,8から12まで,17,18,20,21,23から27まで,29,35,40から45まで,48,49,51,59,92から102まで, 114, 123から126まで,139,140,153, 乙イ1,乙イ4から7まで,乙イ10,乙イ23,乙イ25,乙イ37から39まで,乙イ41,乙ロ1,乙ロ3,乙ロ12,乙ロ14,乙ロ16,乙ロ19,乙ハ2,乙ハ4,乙ハ10,乙ハ21,乙ハ25,乙ハ45から47まで。 <注解1>
枝番のあるものは,いずれもそれを含む。原告本人,被告後藤の兄、被告後藤の兄嫁,被告後藤の妹,被告宮村本人,被告松永本人。
なお,被告松永は,前記第2・3(1)ウ(ウ)a<注解2>のとおり,前掲各証拠のうち一部のメモ(甲98の1,98の3, 102)やビデオ(甲101の1)が信者による盜取に係るものである旨主張し,その証拠として元信者であるMKの各陳述書(乙ロ18, ロ 2 0)を提出するところ,当該主張は,上記メモ及びビデオにつき本件証拠から排除されるべき旨の主張をも含むものと解されるが,上記各陳述書は氏名不詳者による供述内容を伝聞の形で記すにすぎないものであって,信用性が乏しいものといわざるを得ず,本件証拠上,他に上記盗取の事実自体やそれについての原告自身の何らかの関与を窺わせる事情を認めることはできないことから,当該主張は失当であり,採用することができない。<注解3>)
及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実を認めることができ,前掲各証拠中,これに反する部分は採用せず,他にこれを左右するに足りる証拠はない。
<注解1> 「たくさんの証拠が出されましたが、ここにあげた証拠をもとに判断しますよ」という意味である。まだ完成していないようだが、裁判ブログの「証拠説明書」を読んでもらいたい。裁判ブログにアップされたものは証拠説明書にリンクが貼ってある。
各証拠の表題は以下の通りである。甲は原告側、乙は被告側が提出したもの。むろん、これ以外にも証拠は提出されている。
甲1:原告解放3日目の痩身写真
甲2:原告診断書
甲3:原告診断書
甲4:原告診断書
甲5:フラワーホーム写真
甲8:治療費領収書
甲9:陳述書(原告)
甲10:陳述書(米本和広)
甲11:陳述書(きよみ)
甲12:水茎OB会会費協力のお願い
甲17:監禁解放直後の原告の写真
甲18:書籍『脱会屋の全て』(TY)
甲20:神戸地裁証人尋問調書(高澤守)
甲21:陳述書(KN移動中ポータブルトイレを使った拉致監禁被害者)
甲23:書籍『統一教会 救出とリハビリテーション』(田口民也)
甲24:書籍『親は何を知るべきか』(宮村峻 他)
甲25:陳述書(AS松永の被害者)
甲26:陳述書(ASの父)
甲27:陳述書(KH)
甲29:書籍『人さらいからの脱出』(KH)
甲35:陳述書(YY松永と宮村の被害者)
甲40:陳述書(HY松永の被害者)
甲41:陳述書(HYの母)
甲42:原告解放時の衣服の写真
甲43:陳述書(きよみの弟)
甲44:松永父兄勉強会ノート
甲45:陳述書(KH松永と宮村の被害者)
甲48:陳述書(HYの母)
甲49:松永の被害者HYの母のメモ 他
甲51:陳述書(TH高澤守と宮村の被害者)
甲59:書籍『夕べ雲焼くる』(森山諭牧師著)
甲92:陳述書(KH一心病院医師)
甲93:一心病院カルテ類
甲94:北里大学病院医師報告書
甲95:原理運動対策キリスト者連絡協議会(原対協)準備委員会案内状
甲96:原対協報告書 他
甲97:原対協案内状
甲98:父兄対策ビデオのノート、拉致監禁マニュアル(被告松永作成)、他
甲99:新津教会 相談依頼の手続き
甲100:新津地区原理対策協議会レジュメ
甲101:被告松永講義ビデオ
甲102:計画書(被告松永作成)
甲114:写真撮影報告書(甲1の写真)
甲123:陳述書(OT監禁解放後の原告の様子)
甲124:新宿西教会での水茎会参加者写真
甲125:手記(YT宮村被害者)
甲126:水茎会受付簿
甲139:原告食事メモ
甲140:栄養士に対する照会書と回答
甲153:意見書(医師NY)
乙イ1:検察審査会議決文
乙イ4:被告兄嫁陳述書(青春を返せ裁判)
乙イ5:被告兄嫁陳述書
乙イ6:被告兄陳述書(青春を返せ裁判)
乙イ7:被告妹陳述書
乙イ10:被告兄陳述書
乙イ23:意見書(I医師)
乙イ25:意見書(2)(I医師)
乙イ37:原告に出していた食事の写真(被告妹撮影)
乙イ38:在職証明書(被告兄嫁)
乙イ39:東日本電信電話株式会社からの通知(フラワーホームの電話)
乙イ41:原告の父から原告への手紙
乙ロ1:陳述書(被告松永)
乙ロ3:陳述書(元信者TT)
乙ロ12:陳述書(被告松永)
乙ロ14:新津教会不動産登記簿謄本
乙ロ16:陳述書(被告松永)
乙ロ19:陳述書(元信者MK)
乙ハ2:陳述書(被告宮村)
乙ハ4:書籍『親は何を知るべきか』
乙ハ10:陳述書(元信者IA)
乙ハ21:一心病院血液検査記録等
乙ハ25:陳述書(被告宮村)
乙ハ45:統一教会 念書
乙ハ46:名刺コピー
乙ハ47:資料説明書(被告宮村)
<注解2> 3(1)ウ(ウ)aで、被告松永が主張したのは次の通り。
(引用はじめ)
原告が被告松永において拉致・監禁や棄教の強要を行っていることの根拠として挙げる供述(甲26,41等)は,いずれも伝聞によるものであるか,著しく事実を歪曲したもめであって,信用性を欠く。また,原告がその証拠として提出する講義ノー卜(甲44)は,信者の家族らが信者との話合いを行う際の留意点等を記載したものであって,拉致・監禁の指導内容を記載したものではない。
昭和62年9月3日に開催された原対協の発足準備会において原告の指摘するようなビデオが上映されたことはなく,原告の指摘するメモ(甲98の1)は,被告松永が,信者の家族らが信者の身の安全を確保し,乱暴な扱いをすることなく話合いを行うために統一教会の実態をいかにして伝えるかを試行錯誤する過程で試験的にビデオを作った際に,レジュメとして作成したものにすぎない。なお,上記ビデオについては,他の牧師らの意見を受けて使用することをやめており,被告松永において,これを他人に見せたことはない。このことは,被告後藤兄らが,新津教会での勉強会において上記ビデオやメモを見ていないと明確に述べていることからも明らかである。
原告が拉致・監禁及び脱会強要活動のマニュアルを被告松永において書き取ったとするメモ(甲98の3)は,被告松永が,原対協の会合において参加者らから聴き取った体験談等の内容を,後日の参考になるものと思って書き留めておいたものにすぎず,被告松永において,その記載内容に従った行動をとったことはない。また,原告が拉致・監禁の計画書であるとするメモ(甲49の4,102)は,被告松永が信者の家族らから聰き取った内容を他の信者の家族らに対して個別に説明した際に作成したものや,信者の親が被告松永に対して語った内容を被告松永において書き取ったものであって,拉致・監禁の計画書などではない。
なお,上記のうち,メモ(甲98の1,98の3,102) や原告の提出に係る甲101号証の1に記録された映像を収録したビデオは,いずれも被告松永が新津教会のロッカーにその他の資料と共に保管していたものであり,偽装脱会をして新津教会に出入りをしていた信者によって盗取されたものである。
(引用終わり)
※1 被告松永のいう証拠の一部は前掲の「裁判ブログ」(判決文③)に、また全部は同サイトに掲載されている。やはり前掲した「証拠説明書」をクリックして探してもらいたい。
※2 被告松永は、証拠物は「盗取されたもの」と主張したが、その根拠を結局のところ示すことができなかった。
<注解3> ここの文章は読みにくいが、こういう判断を下したということである。
「甲98をはじめとした松永作成のメモ、ビデオは盗まれた物であるから、証拠から排除すべきと主張している。しかし、盗まれたものとする根拠が伝聞によるもので、信用性が乏しい。また、原告の関与が認められない。そのため、盗まれた物であるから、証拠から排除すべきという主張は採用することはできない。つまり、甲98はじめとした松永作成のメモ、ビデオは証拠として採用する」
なぜ、松永関連の証拠についてだけわざわざ言及したのかと疑問に思ったが、判決文の続きを読んで氷解した。次をお楽しみに。相澤判決文は控訴審をたぶんに意識したものと思われる。
その1・被告松永のメモ、ビデオが証拠として採用されたことだ。
秘密の資料が原告から証拠として提出されたとき、傍聴席から見てもはっきりわかるほどに被告側に動揺が起きた。
そこで、苦肉の策として、盗まれたものだから証拠足り得ない、と主張したわけだが、裁判所は一蹴した。
結果、松永牧師さんのマル秘のビデオとメモは、裁判所が認めた公的資料となった。拡散を

その2・これは感想になるが、甲10号証が採用されたことは正直、安堵した。甲10は、後藤徹が刑事告訴したときに警察署に提出した私の陳述書。後藤の解放3日後に、被告宮村にインタビューした内容をまとめたものである。
【当該文章】警察署に提出した私の「陳述書(3)」
これを読んでもらえばわかるが、宮村とのやりとりは1、2分程度のものではなかった。
それにもかかわらず、宮村は「陳述書3」で、次のように書いているのだ。
(引用はじめ)
米本氏が私にインタビューしたという内容を陳述書に書いて甲第10号証にしており、原告側が証拠として提出しています。実際は、私の自宅の写真を勝手に撮影している米本氏を見つけた私が彼に注意した所(私が米本氏と直接会ったのはこの時が初めてです)、私に対し唐突に質問してきたのです。しかも甲第10号証では、米本氏がインタビュー形式に尋ね、これに私がいかにも困っているように対話内容を著しく歪曲しています。 しかし実際はインタビューのようなものには程遠いものでした。米本氏が私に取材したいと言ったので、私か拒否しただけのやりとりでした。統一教会や徹君に加担して、統一教会の活動をサポートしていた米本氏は全く信用できない人物であることは当時十分判っていたのです。甲第10号証の米本氏と私との対話内容なるもの全体が、全くためにする、私を追い込むための意図的な歪曲に満ちており、全く信用性のないものであることを明言しておきます。
(引用終り)
裁判官は、宮村から「明言」されたものの、私の陳述書を証拠価値ありと判断したのである。
やや感情を交えて言っておく。宮村よ! おまえの嘘なんぞ、判事にはお見通しだぁ。この嘘つき女衒めが

【関連記事】「女衒の脱会屋を返り討ちに 」
その3・どの証拠が採用されていないのか、それを調べる余裕はないのだが、私が関係したものだけに限ったものであれば、
弁護士伊藤芳朗にインタビューした陳述書」「米本和広氏の陳述書(3)-かつて「青春を返せ訴訟」の原告代理人だった弁護士激白!!!宮村氏の脱会活動は脱会活動に名を借りた金儲け。実態は拉致監禁だー(甲107号証)、
またそれを補強した伊藤の陳述書「伊藤芳朗弁護士の陳述書-米本氏の陳述書に書かれていることはすべて真実。『山口先生,もう一度,以前のフェアな姿勢を取り戻してください』」(証拠番号は分からない)が外されている。
被告宮村の当時のことを知る弁護士の証言である。内容も宮村が拉致監禁説得の常習者であり、信者家族からお金を集めていた、またそのことを被告宮村の代理人である弁護士、山口広は知っているという看過できないものである。不当な判断だと言わざるを得ない。
もっとも、被告側も「これを外されたのは不当だ」と思っている証拠もあるだろうから、まあ、イーブンとしておこう。原告・被告の控訴状を早くみてみたいものだ。
※これから5日に1本の頻度で、判決文を紹介していきます。お見逃しなく。後藤裁判に関心がある方に、どうぞこのサイトを紹介してください。
ATTENTION PLEASE
このブログ欄にときおり投稿される秀さんがブログを開設しました。
秀さんは拉致監禁体験者。後藤さんの判決日の朝、拉致監禁撲滅の狼煙をあげた脱会者、宿谷麻子さんの墓前に一緒に手を合わせた方です。感情を抑えた淡々とした筆致だけに、なかなか読ませますよ。お気に入りにどうぞ。
「秀のブログ」
なお、「ブログ村-統一教会」に登録済みです。
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- [2014/02/14 08:16]
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宮村脱会屋の断罪
後藤裁判の判決が下された後の会合で 米本さんが仰っていた如く、まさに「諸悪の根源」である宮村峻脱会屋が裁判で断罪された意味は大きく、最大のポイントだと思います。
米本さんによって 今まで宮村脱会屋が為した悪行の数々は白日のもとに晒された訳ですが、その重要なポイントを直接本人に質問し、追及した問答の記録は拉致監禁問題の真相を知る上で大きな手がかりとなり、宮村峻という人物の実像を知ることができる貴重な資料だと思われます。
その米本さんの陳述書を読み返してみても さすがにプロのルポライターだと感心するしかありません。
その陳述書に書かれたインタビューのやり取りから宮村脱会屋の人間像が浮かび上がってくるし、その‘やましさ’が垣間見えます。
今回の民事裁判で米本さんの陳述書が証拠として価値があると判断した裁判官は 極めて公平な裁判を行っていたと納得でき、ますます後藤さんの刑事告訴を不起訴処分にした伊藤俊行検事に対する懐疑が深まるばかりです。
考えてみれば、もし宮村脱会屋が刑事裁判で有罪とされ、刑務所に収監されるようなことになれば、彼を同志と呼ぶぐらいに宮村脱会屋とは「ズブズブの関係」である某参議院議員はかなり苦しい立場に立っていたかもしれません。
それを恐れて国会の法務委員会の委員である某参議院議員が圧力をかけたというのは私の考え過ぎでしょうか。
ありがとうございます。
私のブログを紹介していただきありがとうございます。
新しい記事も加えましたので、読んでみて下さい。
訪問してくださった方々も、ありがとうございます。
http://hydenoshikou.kakuren-bo.com/
宣伝
そういう状況なので、宣伝です。私のブログで記事を更新しました。タイトルは、「後藤裁判の判決:最大の問題点 - しぶしぶの同意と偽装脱会の扱い」です。参考にしてください。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/388197911.html
Re:宣伝
全く理解ができません。
カテゴリ違いと告発したのは統一教会信者なのでしょうが、いったい何を考えているのか?
自分たちの行動が、統一教会と社会との壁を厚く高くしていることにいい加減に気がついてほしい。
基元節のお祝いもいいですが、教会内部のスローガンと社会のギャップをどうやって埋めようと思っているのですか?
Yoshiさんには、不愉快な思いをさせてお詫びの言葉もございません。m(__)m
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