猫さんへの返信  宮村峻氏 松永牧師 清水牧師 黒鳥牧師  

一筆一論(4)

脱会説得者と料金

猫さん、コメントありがとうございました。
読んでいると、いろいろなことが思い出されてきました。
少々ランダムなのですが、以下、徒然なるままに。

一昨年夏の韓国取材で、偶然にも私と郷里(島根県)が同じ、在韓の統一教会信者の方(女性)と知り合いになりました。昨年の8月、彼女が2人の子どもを連れて里帰りするというので、私もお盆休みを取って松江市に戻り、彼女の実家を訪問しました。

 とくに目的があったわけではありませんが、1年ぶりに会って、四方山話をしたかったこと。
それに、彼女の実家がある中国山脈の麓には高校時代に一度だけ訪ねたことがあり、数十年振りにのどかな山間地の雰囲気を味わってみたいと思ったからです。

東京から見れば松江は田舎ですが、県都・松江市から見れば、彼女の実家がある周辺は村人よりも猿が多いといわれるほどのんびりしたところです。



 私の訪問に、ご両親が歓待してくれました。

その地域の公職についているという父親は統一教会シンパではありませんが、娘が統一教会員であることを容認しているような印象を受けました。母親は真如苑の会員ということでしたから、意見は違えど家族がそれぞれの考え方を尊重するようないい関係にあるように思えました。
雑談の中で、父親がこんな話をしてくれました。

この子(彼女)が統一教会に入信したことが周囲に知れ、けっこう嫌がらせというか厭味を言われたことがあります。そんなときに、娘を脱会させたという近所の人が『300万円を払えば脱会させることができるぞ』と言ってきた。どうも、脱会させる人は広島県にいるようでした。その人を含め、ここらあたりの何人かが子どもを脱会させるために金を払ったようです

びっくりしました。人より猿が多い地域で、統一教会に入信した若者が相当数いた。ということもさることながら、「300万円を払えば脱会させることができるぞ」という言葉でした。

猫さんのお父さんが同僚から言われた言葉とまるで同じです。

統一教会のやはり女性信者の叔父にあたる人が、現新党日本副代表の有田芳生さんに姪の脱会のことで相談したそうです。有田さんは「700万円かかる」と話したという。叔父はとてもそんな金は出せないと断ったということでした。(有田さんが紹介料を取るという意味では決してありません)



 以下のことは、「拉致監禁をなくす会」代表の小出浩久さんが『人さらいからの脱出』(205?207頁)で明らかにしていることです。

小出さんを強制説得していた松永牧師の新津福音教会が新築することになった。建築資金は2億円。旧三和銀行から1億円借り入れたが資金は足りず、脱会者やその家族に献金、借り入れをすることになった。
「私の父も牧師の依頼を受け、献金として100万円、貸付金として300万円を提供した」
「このとき父も迷ったらしく、お金を出すべきかどうか迷ったらしく、宮村氏に電話で相談した。宮村氏は『お布施だよ、お布施。そのつもりで出せばいいでしょ?』と、父に献金を勧め、父もお金を出す決心をしたようである」


宮村氏とは、小出さんを最初に強制説得をした、現在、後藤徹さんの監禁事件で東京地検から事情聴取されている(株)タップ社長の宮村峻さんのことです。

拙著『我らの不快な隣人』194頁に登場してもらった 川嶋英雄さんも、小出さんと同じように、松永さんの強制説得を受けています。彼が祖母に聞いた話によると、400万円以上かかったという。この一部も教会の建築費に使われたのでしょうか。

教会の新築では、日本基督教団の黒鳥栄さんが牧師を勤める戸塚教会も新築されたことを思い出します。それと前後して牧師館(自宅、仏教でいう庫裏)を新築したことも。

脱会者の家族の謝礼金が元になったかどうかわからないけど、信徒数100人にも満たない小規模教会が数千万円単位の金をどうして捻出できるのでしょうか。建築資金の一部は脱会説得の謝礼金と推測しても、そう穿った見方ではないでしょう。


 こんな話もあります。宮村氏に批判的なある牧師さんの話です。

福岡に住んでいるという奥さん(寡婦)から電話がかかってきた。この人の息子さんは慶応大学医学部の学生で、原理研究会のメンバーだという。なんとか息子を脱会させようと宮村に電話で相談したらしい。そうしたら、宮村の奴、1000万円を要求したという。宮村の態度も悪かったんだろうな。それで、その奥さん、頭に来て、ぼくのところに愚痴の電話をかけてきた

牧師さんにその方の連絡先を聞いたけど、メモしなかったという。それで、この話が事実かどうか裏付け取材をしました。牧師のところに電話をかけてきた「奥さん」、またその「息子さん」は特定できました。確かに、息子さんは慶応医学部の学生で、母親は原理研究会(カープ)に反対していた。 しかし、宮村さんが1000万円要求したかどうか裏付けを取ることはできなかった。それで拙著に書くことはできませんでした。

本を出版してからのことです。
後藤徹さんの監禁事件を捜査していた刑事さんから、こんなことを聞きました。

宮村が脱会説得を引き受けているのはみんなお金がある家ばかりなんだ

考えてみれば、小出さんは自治医科大学の医学部卒のお医者さんです。父親は鉄工所の経営者にして市会議員。後藤さんの父親は大手名門企業の子会社の役員。愛用車はベンツ。Hさんの父親も当時は裕福だった小売業の社長さんだったと聞いていました。



 このように書くと、牧師は金儲けのために強制説得をしているのかと思われてしまいますが、例外はあるにせよ、そうではないと思います。「一筆一論(2)」のコメント欄で、HINOTORIさんがこんな疑問を呈していらっしゃいました。
彼らを突き動かしているものはなんなのでしょうか?歪に曲がった信仰なのか?そのとも金に目がくらんだ故なのか?
この問いへの一部回答にもなると思いますが、牧師の多くは金目当てではないと考えています。

ただ、次のことだけははっきり言えると思います。

小出さんのお父さんは松永さんに謝礼金100万円を払っています。このことからすると、牧師の多くはトータルで20万円から100万円程度の謝礼金・献金を受け取っていると推測しても間違いはないでしょう。日本基督教団の若い牧師が200万円を要求した例もありますから、チェックされることのない単立教会の牧師の場合なら、相手が裕福な家庭であれば数百万円の謝礼金を要求することだってあるでしょう。

仮に、一回あたりの謝礼金が最低20万円とします。
そうすると、10人脱会させれば200万円。100人なら2000万円です。

金儲けが目当てではないにしても、懐は潤い、生活もそれなりのものになっていきます。牧師さんが、まさか京都のお坊さんのように祇園で豪遊しているようなことはないと信じていますが(信じたい)、羽振りが良くなれば、「いっちょう、古くなった教会を建てかえようか」ということになるのは自然なことでしょう



 ところで、一般に、牧師さんの懐はあたたかくありません。
毎月の収入は、教会(信徒の浄財)からの給料です。信徒数が多ければ別ですが、給料は10万円以下という牧師は少なくないそうです。何らかの副業をするか、あるいは妻が働くかして、やりくりをしています。

ある牧師さんは、統一教会の信者から裁判に訴えられたため、強制説得をやめざるを得なくなりました。その結果、この牧師さんは夜間、ファミレスでアルバイトするようになりました。

つまり、この牧師さんは脱会説得で謝礼金をもらっているうちは羽振りが良かったのだが、それがなくなると、とたんにアルバイトをせざるを得ないようになる


ということだと思いました。

『我らの不快な隣人』の146頁から152頁で、成功報酬のことを具体的に触れています。

興味深い記事だと思われた方は
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コメント

 私の野次馬的関心にいつか一筆一論をお書きになるとお返事くださいましたので、時々見ておりましたが、この一筆一論は違う角度からのものですが、驚きました。これってビジネス?と考えてもおかしくない金額です。ファミレスでアルバイトをしている牧師の方が人間的でいい人のような気がするんです。
 300万、700万、1000万。アングラな仕事は儲かるという噂がありますが、ブローカーみたいな人がいて、しかも牧師の宗教的な熱意を満たして、危ない仕事を紹介して引き受ける人達がいる。何か似たような話があったなと思い出してみましたが、中国で問題になった死刑囚とかのアングラな臓器移植。マスコミに問題にされてそういうことはないようにするといってましたが、一方でそこまでして臓器を必要とする金持ちがいるから成り立つのですね。そこまでする親の気持ちがあることも確かだと思います。ただ、密室に何年も押し込める感覚は正気の沙汰とは思えません。

パパイヤさんへ

 投稿ありがとうございました。パパイヤさんの野次馬的関心、またHINOTORIさんの疑問は重要な問題をはらんでいると思っておりますので、あらためてお返事を書くつもりです。よろしくお願いいたします。

有田議員に聞きたい

脱会させるのに「700万円はかかる」と話したという有田芳生議員。著述家でもありコメンテーターですから、この700万円にはそれなりの根拠があるのでしょう。
監禁マンションの賃料、協力者への謝礼、監禁中の食事代、水道光熱費…。
有田議員は選挙期間中、北朝鮮による拉致問題解決のために尽力する、みたいなことをおっしゃっていましたが、この日本人による日本人の拉致についても、詳しく説明をしてもらいたいですね。

一筆一論(4)

脱会説得者と料金

猫さん、コメントありがとうございました。
読んでいると、いろいろなことが思い出されてきました。
少々ランダムなのですが、以下、徒然なるままに。

一昨年夏の韓国取材で、偶然にも私と郷里(島根県)が同じ、在韓の統一教会信者の方(女性)と知り合いになりました。昨年の8月、彼女が2人の子どもを連れて里帰りするというので、私もお盆休みを取って松江市に戻り、彼女の実家を訪問しました。

 とくに目的があったわけではありませんが、1年ぶりに会って、四方山話をしたかったこと。
それに、彼女の実家がある中国山脈の麓には高校時代に一度だけ訪ねたことがあり、数十年振りにのどかな山間地の雰囲気を味わってみたいと思ったからです。

東京から見れば松江は田舎ですが、県都・松江市から見れば、彼女の実家がある周辺は村人よりも猿が多いといわれるほどのんびりしたところです。



 私の訪問に、ご両親が歓待してくれました。

その地域の公職についているという父親は統一教会シンパではありませんが、娘が統一教会員であることを容認しているような印象を受けました。母親は真如苑の会員ということでしたから、意見は違えど家族がそれぞれの考え方を尊重するようないい関係にあるように思えました。
雑談の中で、父親がこんな話をしてくれました。

「この子(彼女)が統一教会に入信したことが周囲に知れ、けっこう嫌がらせというか厭味を言われたことがあります。そんなときに、娘を脱会させたという近所の人が『300万円を払えば脱会させることができるぞ』と言ってきた。どうも、脱会させる人は広島県にいるようでした。その人を含め、ここらあたりの何人かが子どもを脱会させるために金を払ったようです」

びっくりしました。人より猿が多い地域で、統一教会に入信した若者が相当数いた。ということもさることながら、「300万円を払えば脱会させることができるぞ」という言葉でした。

猫さんのお父さんが同僚から言われた言葉とまるで同じです。

統一教会のやはり女性信者の叔父にあたる人が、現新党日本副代表の有田芳生さんに姪の脱会のことで相談したそうです。有田さんは「700万円かかる」と話したという。叔父はとてもそんな金は出せないと断ったということでした。(有田さんが紹介料を取るという意味では決してありません)



 以下のことは、「拉致監禁をなくす会」代表の小出浩久さんが『人さらいからの脱出』(205?207頁)で明らかにしていることです。

小出さんを強制説得していた松永牧師の新津福音教会が新築することになった。建築資金は2億円。旧三和銀行から1億円借り入れたが資金は足りず、脱会者やその家族に献金、借り入れをすることになった。
「私の父も牧師の依頼を受け、献金として100万円、貸付金として300万円を提供した」
「このとき父も迷ったらしく、お金を出すべきかどうか迷ったらしく、宮村氏に電話で相談した。宮村氏は『お布施だよ、お布施。そのつもりで出せばいいでしょ?』と、父に献金を勧め、父もお金を出す決心をしたようである」

宮村氏とは、小出さんを最初に強制説得をした、現在、後藤徹さんの監禁事件で東京地検から事情聴取されている(株)タップ社長の宮村峻さんのことです。

拙著『我らの不快な隣人』194頁に登場してもらった 川嶋英雄さんも、小出さんと同じように、松永さんの強制説得を受けています。彼が祖母に聞いた話によると、400万円以上かかったという。この一部も教会の建築費に使われたのでしょうか。

教会の新築では、日本基督教団の黒鳥栄さんが牧師を勤める戸塚教会も新築されたことを思い出します。それと前後して牧師館(自宅、仏教でいう庫裏)を新築したことも。

脱会者の家族の謝礼金が元になったかどうかわからないけど、信徒数100人にも満たない小規模教会が数千万円単位の金をどうして捻出できるのでしょうか。建築資金の一部は脱会説得の謝礼金と推測しても、そう穿った見方ではないでしょう。


 こんな話もあります。宮村氏に批判的なある牧師さんの話です。

「福岡に住んでいるという奥さん(寡婦)から電話がかかってきた。この人の息子さんは慶応大学医学部の学生で、原理研究会のメンバーだという。なんとか息子を脱会させようと宮村に電話で相談したらしい。そうしたら、宮村の奴、1000万円を要求したという。宮村の態度も悪かったんだろうな。それで、その奥さん、頭に来て、ぼくのところに愚痴の電話をかけてきた」

牧師さんにその方の連絡先を聞いたけど、メモしなかったという。それで、この話が事実かどうか裏付け取材をしました。牧師のところに電話をかけてきた「奥さん」、またその「息子さん」は特定できました。確かに、息子さんは慶応医学部の学生で、母親は原理研究会(カープ)に反対していた。 しかし、宮村さんが1000万円要求したかどうか裏付けを取ることはできなかった。それで拙著に書くことはできませんでした。

本を出版してからのことです。
後藤徹さんの監禁事件を捜査していた刑事さんから、こんなことを聞きました。

「宮村が脱会説得を引き受けているのはみんなお金がある家ばかりなんだ」

考えてみれば、小出さんは自治医科大学の医学部卒のお医者さんです。父親は鉄工所の経営者にして市会議員。後藤さんの父親は大手名門企業の子会社の役員。愛用車はベンツ。Hさんの父親も当時は裕福だった小売業の社長さんだったと聞いていました。



 このように書くと、牧師は金儲けのために強制説得をしているのかと思われてしまいますが、例外はあるにせよ、そうではないと思います。「一筆一論(2)」のコメント欄で、HINOTORIさんがこんな疑問を呈していらっしゃいました。
「 彼らを突き動かしているものはなんなのでしょうか?歪に曲がった信仰なのか?そのとも金に目がくらんだ故なのか?」
この問いへの一部回答にもなると思いますが、牧師の多くは金目当てではないと考えています。

ただ、次のことだけははっきり言えると思います。

小出さんのお父さんは松永さんに謝礼金100万円を払っています。このことからすると、牧師の多くはトータルで20万円から100万円程度の謝礼金・献金を受け取っていると推測しても間違いはないでしょう。日本基督教団の若い牧師が200万円を要求した例もありますから、チェックされることのない単立教会の牧師の場合なら、相手が裕福な家庭であれば数百万円の謝礼金を要求することだってあるでしょう。

仮に、一回あたりの謝礼金が最低20万円とします。
そうすると、10人脱会させれば200万円。100人なら2000万円です。

金儲けが目当てではないにしても、懐は潤い、生活もそれなりのものになっていきます。牧師さんが、まさか京都のお坊さんのように祇園で豪遊しているようなことはないと信じていますが(信じたい)、羽振りが良くなれば、「いっちょう、古くなった教会を建てかえようか」ということになるのは自然なことでしょう。



 ところで、一般に、牧師さんの懐はあたたかくありません。
毎月の収入は、教会(信徒の浄財)からの給料です。信徒数が多ければ別ですが、給料は10万円以下という牧師は少なくないそうです。何らかの副業をするか、あるいは妻が働くかして、やりくりをしています。

ある牧師さんは、統一教会の信者から裁判に訴えられたため、強制説得をやめざるを得なくなりました。その結果、この牧師さんは夜間、ファミレスでアルバイトするようになりました。

つまり、この牧師さんは脱会説得で謝礼金をもらっているうちは羽振りが良かったのだが、それがなくなると、とたんにアルバイトをせざるを得ないようになる

ということだと思いました。

『我らの不快な隣人』の146頁から152頁で、成功報酬のことを具体的に触れています。

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