手紙の言説構造は宮村と同じ 

渡辺博弁護士の秘密めいた手紙(12)

渡辺・宮村両氏の共通項は「秘密に!

 渡辺氏の手紙の最大の問題点は、以下の記述である。

 なお、当職からこのような手紙が送られてきたこと、ご両親において健さんが統一協会の取り込まれたことに気付いたことを、絶対健さんには知らないようにしてください

 ご両親から健さんに対し、この問題について問い詰めたりすることは絶対にやめてください。そのような行動を取れば、健さんをますます統一協会の活動にのめり込ませることとなり、また統一協会から救出することが非常に難しくなります。

 至急、健さんに気づかれることなく、当職宛にご連絡をいただきたいと思います。

 繰り返しますが、この手紙のこと、統一協会のこと等を、健さんに話すことは絶対ににやめてください。ご両親において、早急に統一協会の実態を認識され、健さんを早期に救出していただきたいと思います。

 当人のことなのに、当人には内緒にしろという。
 一般人の手紙ならともかく、弁護士が書いた手紙である。
 弁護士法第2条:弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない
 弁護士法が赤面するような手紙である。

 このことはともかくとして、手紙を読めば、誰もが首をひねるだろう。

 親子の話し合いは、子どもが統一教会に入ったことを知り、そのことを問い質すところから始まる。

 ところが、渡辺弁護士は「子どもが統一教会に入ったこと」を知った(手紙によって知らされた)ことは、絶対に内緒にせよというのである。

 これは絶対矛盾である。

「おまえここに座れ」と、親は子どもと座敷で向き合った。
「お父さんはなぁ、おまえが・・・(ムムム、統一教会に入っていることは言ってはならなかったんだっけ)」
「ぼくがどうしたのって?」
「い、いや、なんでもない。用がなくて呼び止めてすまなかった」 

「親子でしっかり向き合い、子どもと同じ目線で、子どもの耳に傾けろ」。この吉田好里牧師の言葉は前回のブログで紹介した。
 渡辺氏の手紙と矛盾する。これはいったい、どういうことなのか。

 重要なことなので、繰り返す。
 渡辺弁護士は手紙を読んで相談にやってきた信者家族に、吉田牧師を紹介する。

「統一協会のこと等を、健さんに話すことは絶対ににやめてください」
と渡辺弁護士は手紙に書き、一方、吉田牧師は両親に説教する。
「親子でしっかり向き合い、子どもと同じ目線で、子どもの耳に傾けろ」
 矛盾するから、親は当惑するのではないか。

 実は、吉田牧師の言葉は、子どもを監禁した状況下で必要とされる親への道徳訓なのである。
 そのことがわかれば、矛盾はたちどころに氷解するだろう。

 つまり、渡辺弁護士は子どもを監禁をするまでは「問い詰めるな」と言っているのである。

 監禁下なら、
「おまえ、統一教会に入っているんだろっ。ええ、どうなんだ! 教会のどこがいいのだ。教義を説明してくれ」
 と問い詰めることができる。
 そして子どもが語ろうとすれば、その言葉を親は「子どもと同じ目線」で聞かなければならない。
 問い詰めたからといって、「子どもがますます統一協会の活動にのめり込む」ようなことにはならない。なにしろ、子どもが脱会の意思を示すまで、監禁は解かれないのだから。


 ところで、渡辺氏の手紙を読んで、 『親は何を知るべきか』 (いのちのことば社、97年)の一節を思い出した。同書には、「保護説得へのいざない」としか読めない、脱会屋・宮村峻氏の論文が所収されている。編者のズィヴィ・パスカル氏を含め、執筆者全員が保護説得の容認・推進派。すでに、後藤徹さんが宮村氏らを訴えた裁判で、原告側の証拠として提出されている。

 B子さんの母親は、ある日差出人の名の書かれていない手紙を受け取りました。「名前は明かすことはできないが、B子さんは、とても危険な破壊的カルトの勉強をしている。今ならきちんとしたカウンセラーに相談するとすぐに解決するから、早急に手を打ってほしい。いっしょに送った本を読んで、どこかにすぐ相談してください。くれぐれもこの手紙の件は本人に言わないでほしい」という内容でした。

 母親は帰宅した父親に早速手紙と本を見せました。父親はざっと目を通して、「B子はそんなばかじゃない。もしそうだとしても、すぐに気がつくよ。宗教は若い者のハシカみたいなもんだろう。それに差出人の名前もない手紙より、自分の娘を信用するよ。何かあったら、おれがB子に話して聞かせるから」。この父親の一言で、B子さんがこの団体から早期に救い出される可能性はなくなってしまいました。(124~125頁)

 宮村氏が引用している手紙の文面には、不自然なところがある。
「どこかにすぐ相談してください」
 がそれである。
 ふつうの親なら当惑するに決まっている。相談するようにと言われても、どこに連絡していいのか皆目見当もつかないのだから。

 ごく自然に考えれば、手紙にはどこそこに相談を、と具体的な名前が記されていたと思う。
  
 疑問はまだある。
 手紙送付が宮村氏の創作話でなければ、父親が歯牙にもかけなかった手紙をどうして宮村氏が入手できたのかという疑問である。Bさん宅のゴミ箱を漁ったのか。宮村氏が手紙に関与していなければ、どのような想像力を働かせても、入手できないはず。

 手紙を書いたのは、宮村氏の強制説得によって脱会した元信者。
 と推理すれば、すべての謎は解ける。
 宮村氏が入手できたのは当然のことだし、相談先として、宮村氏が深く関わっている水茎会(事務所は当時、新宿西教会内)の電話番号が書かれていたのであろう。

 宮村氏もかつては「くれぐれもこの手紙の件は本人に言わないでほしい」という手紙作戦をしていたのだろう。笑える。
  

それ(どの程度、子どもがマインドコントロールされているか)よりもっと大事なことは、それをあなたが判断することは、非常に危険だということです。後でまたふれますが、これはもう、豊富な経験をもつカウンセラーに頼るしかありません。しかし最低限の基準として、本人が以前と「何か違っている」と思えたら、もうあなたの手には負えないと判断したほうがよいでしょう。これはとても重要なことです。(121頁)

 ここから先の具体的行動については、実際の「救出カウンセリング」をお願いする先生を探しだすことです。そしてできるだけいろいろな先生に会い、情報収集と勉強を続けることです。そして、信頼できるカウンセラーを見つけたら、もう迷うことをやめて、その方を信頼することです。(152頁)


 この宮村氏の主張と渡辺弁護士の手紙の構造-親が子どもを説得すべきではなく、統一教会問題に詳しい人を頼れ- は、まるで同じなのである。

 田中幸子さんの懲戒請求に対して、渡辺氏および山口広弁護士をはじめとする代理人たちは、「拉致監禁を手段とする脱会方法」は存在しない。統一教会の拉致監禁キャンペーンの主張をなぞっているだけだといった趣旨の反論を行った。

 しかし、たくさんの拉致監禁の事例を持ち出さなくとも、「親は子どもを問い詰めてはならない」「この問題に詳しい日本基督教団の牧師、あるいは当職に相談せよ」という言説構造からしても、「拉致監禁を手段とする脱会方法」を行っているという結論しか出てこないのである。
 反論書では、これについては一言も触れていない。

 それはそうだろう。渡辺氏の手紙をきっかけに・・・この続きは後日のお楽しみ
 次回は、健さんの親に手紙を渡したメッセンジャーボーイ、というよりも監禁派のパシリをやっているあるお方のことについて書くことにする。

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コメント

おびき出せ、と

「絶対矛盾」。よ~く分かります。

<渡辺弁護士は子どもを監禁をするまでは「問い詰めるな」と言っているのである。
 監禁下なら、「おまえ、統一教会に入っているんだろっ。ええ、どうなんだ! 教会のどこがいいのだ。教義を説明してくれ」と問い詰めることができる>

渡辺弁護士は、親に信者の子供をおびき出せ、と勧誘しているわけですね。ウソをついて、用意した監禁部屋まで連れてこい、と。

渡辺弁護士。見事に弁護士失格です。

よく、そんなオツムで弁護士になれましたね。司法試験というのは、論理、そして事の善悪については問題にしないのでしょうか。

こんな弁護士が懲戒されないなんて、おかしいですね。アホらしいです。

プロ意識

本来弁護士というのは善良な市民を助けるのが仕事ではないでしょうか。
それが極悪非道な拉致監禁集団を助けているなんてとても気分が悪いです。
渡辺氏には弁護士としてのプロ意識は全く無い様で悲しい限りです。
もっとみんなプロ意識を持って本分をわきまえて仕事をして欲しいと思います。

情報です。

 ブログのテーマと関係のないことで、ごめんなさい。

「拉致監禁by宮村裁判記録」サイトで、後藤さん側が提出した証拠一覧表が掲載されました。ご一読を。
http://antihogosettoku.blog111.fc2.com/blog-entry-70.html

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