畏怖・困惑の手紙ではないのか! 

渡辺博弁護士の秘密めいた手紙(11)

手紙のレトリックは総会屋と同じ

 火の粉ブログには、渡辺弁護士がこれまで出した2つの手紙がアップされている。
「田中幸子さんの両親に出した手紙」「婦人教会員の夫に出した手紙」である。

 「前回紹介した手紙」を合わせ、3つの手紙を読み比べると、興味深いことがわかるはず。

 まず、健さんがこのまま統一教会員のままでいたら、どうなるというのだろうか。

 田中幸子さんの両親宛ての手紙には、こう書かれていた。

<こうして統一協会に誘い込まれ、献金と称して、一人で100億円以上もの全財産を奪われた高齢者も日本全国で数多くいます>

<統一協会に入信させられた女性信者は、恋愛を絶対的に禁止され、伝道での実績を積んだ後、教祖文鮮明の指名された男性信者と合同結婚式に出ることを許され、その後再び許可を得て家庭を持つことが許されます>

<現在、統一協会は、多数の日本女性信者を韓国に送り込み、韓国の辺鄙な農村に住んで結婚の機会に恵まれなかった高齢の男性や、身体障害者、知的障害者、末期の癌患者、失業している破産者などの結婚の可能性のない韓国人男性と結婚させています。
 こうして韓国の辺鄙な農村等に送り込まれた日本人女性信者は、すでに6000人にのぼり、そのほとんどで婚姻生活が破綻し、韓国人男性の暴力を受けたりなどする中、悲惨な生活を送っています>

<また、合同結婚式に選ばれた相手と結婚すると、2人の間に産まれた子供は産まれたときから統一協会の教義を教え込まれ、文鮮明を教祖と信じることなり、この問題は1代だけでなく、2代、3代と続いていく極めて深刻な問題です> 


 婦人教会員の夫に出した手紙ではこう書かれていた。
<こうして統一協会に誘い込まれ、献金と称して、一人で100億円以上もの全財産を奪われた高齢者も日本全国で数多くいます>

 では、今回の手紙ではどうか。
<こうして統一協会に誘い込まれ、献金と称して、数億円、数十億円もの全財産を奪われた高齢者も日本全国で多数います>

<統一協会に入信させられた男性信者は、恋愛を絶対的に禁止され、伝道での実績を積んだ後、教祖文鮮明の指名された女性信者と合同結婚式に出ることが許され、その後再び許可を得て家庭を持つことが許されます> 
 
 前の2つの手紙の問題点は、第二東京弁護士会に私が提出した(「意見書(1)」  「意見書(2)」  「意見書(3)」)に詳述したので、ここでは繰り返さない。


 まずは笑える話から。
 2つの手紙では<一人で100億円以上もの全財産を奪われた高齢者も日本全国で数多くいます>と書いていたのに、今回の手紙では数億円数十億円と金額が大幅に下がっている。

 これは、田中さんが懲戒請求書で、「100億円献金したような事実はない」と咎めたからである。その結果、一気に“ダンピング” させたわけだ。 

 つまり、渡辺氏は弁護士であるにもかかわらず、事実を調べもせずに、100億円以上と書いた。きっと、<信者家族を恐怖に陥れ、不安を煽るためには金額は多いほうがいい>と考えたからであろう。だとすれば、企業を恫喝するチンピラ総会屋と同じである。彼らのレトリックの一つは、誇張!と恐怖心を煽ることにあるのだから。

 それにしても、100億円を献金した信者が全国で多数いるとしたら・・・。
 
 受験科目に数学がなかったからなのか、立教大学法学部卒の渡辺氏にとって、数字は不得手だったのかもしれないが、仮に100人とすれば100億円×100人=1兆円。数学ではなく、算数の話である。1兆円も集まるなら、教団は左手にうちわ。貧乏信者にさらなる借金までさせる必要はない。

 ところで、バナナの叩き売りが如く、<数十億円もの全財産を奪われた高齢者も日本全国で多数います>とダンピングした表現でも、やはり算数が不得手というか、総会屋の体質が拭えていない。

「多数」がどの程度かわからないが、入信した教会員は52万人(10年前の教団発表数字)だから、どんなに少なく見積もっても、「100人以上」はいるということだろう。そうでなければ、「多数」と表現することはできまい。

「数十億円」を仮に50億円とすれば、50億円×100人で、5000億円になる。
 統一教会が必死に献金集めを行なっても、数年前で、年間300億円がやっとだったことからすれば、「数十億円が全国で多数」というのは、明らかにである。

 実際、2010年11月に発せられた「天福函(チョンボッカン)摂理」の300億円の目標は、1年以上が経ったというのに、いまだ達せられていない。私でも知っていることを、20年来、統一教会問題に携わってきた渡辺氏が知らないわけがない。

 虚偽の事実を述べるのは、弁護士倫理に抵触し、懲戒請求の対象になる。
 弁護士職務基本規定第九条にはこう明記されている。

 弁護士は、広告又は宣伝をするときは、虚偽又は誤導にわたる情報を提供してはならない



 田中さんの両親への手紙に、在韓日本人の花嫁についてのオドロオドロシイことが書かれていたが、これも事実に反する。『週刊ポスト』が「日本の花嫁はセックス奴隷」といった趣旨の記事を書いたが(情報のネタ元は渡辺氏のネタ元と同じ)、教団は名誉毀損で訴えている。裁判は現在、係属中だ。

 実際、田中さんは韓国人花嫁について詳細に反論した書面を第二東京弁護士会に提出したが、渡辺氏からの反論は一切なかった。 手紙の内容がであることを認めた証左である。

 はまだある。 

<教祖文鮮明の指名された女性と合同結婚式に出ることが許され・・>

 10年以上前なら一部事実だが、今は文鮮明氏がマッチングするようなことはしていない。(10年以上前でも、すべて文鮮明氏が指名するようなことはなかった。いつからそうなったかは不明)
 現在、マッチングしているのは各教会の家庭部長である。

 こうしたことも、20年来、統一教会問題に携わってきた渡辺氏が知らないわけがない。


<2人の間に産まれた子供は産まれたときから統一協会の教義を教え込まれ、文鮮明を教祖と信じることとなり、この問題は1代だけでなく、2代、3代と続いていく極めて深刻な問題です>

 教団が2世教育に力を入れていることは事実である。
 拙著『カルトの子』で書いたように(この本を書くにあたっては渡辺先生にはお世話になった)、私は宗教などイデオロギー団体が自分たちの価値観を過度に子どもに押しつけることには反対しているが、統一教会の2世教育はうまくいっておらず、「立派な2世」になったのはそれほど多くはない。

 こうしたことも、渡辺氏が知らないわけがない。

 なぜ、私が「渡辺弁護士が知らないわけがない」と断定的に書けるのか。
 それは、渡辺氏が元信者の献金等返還請求の代理人になっているからである。
 それゆえ、最近の元信者に事情を聞けば、私が仕入れている以上の情報は収集できるのだ。
 
 現在の統一教会のことを熟知しながら、なぜ、渡辺弁護士は手紙で虚偽の事実を述べるのか。
 それは、「このまま統一教会にいたら」と、信者家族に恐怖心を与え、不安を煽りたいからである。サラ金絡みの事件で、「このままだったら、家屋敷取られてしまうぞっ」と脅しをかける悪徳弁護士と大差はない。

 渡辺氏は被害弁連の事務長にして正義の弁護士。恐れ入谷の鬼子母神だ。


 信者家族が畏怖し、困惑すれば、これからどうすればいいのか と不安な気持ちになる。

 そこで、渡辺先生はのたまう。

<このまま健さんが統一協会に所属したままでは、一生、自らの力で統一協会から脱出することはほとんど不可能です。今、健さんのご両親が統一協会というカルト宗教の実態を理解し、この問題に詳しい日本基督教団の牧師、あるいは当職に相談し、健さんの救出を検討することが必要です>

 3つの手紙の文面は、判で押したように同じである。

 信者家族をして、「日本基督教団の牧師」あるいは「当職」に相談させるための誘い(いざない)、というより相談せざるを得ないように仕向けるレトリック。巧妙な罠とも表現していいだろう。

 表現を変えて繰り返せば、統一教会員のままでいたらひどい目に合うぞ-と最初にかましておいて、信者家族が「大変だ。子どもを統一教会からやめさせないと」という気分になれば、作戦は半ば成功。

 そこでダメを押す。
 <一生、自らの力で統一協会から脱出することはほとんど不可能です>
 だったらどうすればいいのか。
<この問題に詳しい日本基督教団の牧師、あるいは当職に相談し、健さんの救出を検討することが必要です>

 この手紙に洗脳された信者家族は、ヒェ~とばかりに、藁をもすがる思いで、渡辺先生に電話をかけることになる。
 しかし、この一文にもがある。

 それは「統一協会に所属したままでは、一生、自らの力で統一協会から脱出することはほとんど不可能です」と書いていることだ。

 渡辺先生も読んだはずの、拙著『我らの不快な隣人』(251頁)で、「52万人入信したが、46万人は退会したか退会状態にある」と書いている。
 あくまで推計値にすぎないが、当たらずとも遠からずだろう。
 つまり、それほど退会率が高い宗教団体ということなのだ。
 
 実際、反統一&監禁容認派のブログ、ブログのコメント欄を読んでも、書き手のほとんどは自主脱会者である。
 強制脱会者が「自らの力で統一協会から脱出することはほとんど不可能です」と書いた公の文章は、これまで読んだことがない。唯一例外は、そのことが直截的には記されてはいないが、『マインドコントロールされていた私』(日本基督教団出版局、執筆者の南哲史は仮名)ぐらいだろう。


 退会したか退会状態にある46万人のうち、アバウト3000人が強制脱会者。自主脱会者(退会者)の数に比べれば、微々たるものである。圧倒的多くが自分の意思で組織から去っている。こんな状態を、ある統一教会の関係者は「回転式ドア」と表現する。入ったと思ったらすぐに出て行くという意味である。 

 こうしたことを百も承知しながら、渡辺弁護士は「一生、自らの力で統一協会から脱出することはほとんど不可能です」という。百も承知と言える根拠は、渡辺氏が自主脱会者の返還請求の代理人を引き受けていることにある。

 自主脱会(自主的な退会)はほとんど不可能。これが渡辺弁護士の最大の嘘である。

 こうまで嘘を連ねれば、懲戒処分を受けて当然だと思いませんか。

 ちょっと笑えることを書いておく。
 田中幸子さんの懲戒請求に関する前出の意見書で、私は自然退会者が圧倒的に多いことを詳述しておいた。そのためか、今回の手紙は“進化”している。前の手紙では「脱出することは不可能」だったのが、今回のは「ほとんど不可能」と、パソコンに保存されている原型文に4文字を挿入している。嗤える。

 では、「当職のところに相談にやってきた信者家族」に、渡辺氏はどう対応するのか。
 これまでの事例では日本基督教会「新松戸幸谷教会」の吉田好里牧師のところに繋げている。
(裏付けは取れていないが、このときの「当職への相談」では料金が発生していると思う)

 その結果、信者家族は新松戸幸谷教会での勉強会に通うことになる。

 ところで、吉田氏は強制説得を行なっていない。
 2004年頃、電話で質問したところ、吉田牧師はこう答えている。
「1993年頃まではやっていた。しかし、保護説得は信者を傷つけるやり方なので、それ以降はやっていない」
 実際、ここ数年の拉致監禁事件で、吉田氏の名前は聞こえてこない。

 彼が勉強会で主に話すのは、「子どもときちんと向き合い、上から目線ではなく、同じ目線で子どもの声に耳を傾けろ」。ある種の道徳訓だが、私はその通りだと思う。
 しかしながら、道徳訓は道徳訓でしかなく、向き合うだけで、子どもを脱会させることはできない。

 長年強制説得しかしてこなかった彼らには、「拉致監禁を手段とする脱会方法」以外に、脱会のノウハウがまるでない。そのため、吉田牧師は直接か、先輩の元信者家族を通してかは不明なれど、保護説得が得意な人を紹介するしかない。

 信者家族が斡旋されるその人の名は、小諸市にある「いのちの家」所長の川崎経子女老師(元谷村教会牧師)

 こうして、拉致監禁事件が発生するのである。
 
 話は横道にそれるのだが、吉田牧師は卑怯だと思う。
 保護説得は信者を傷つけるやり方なので、自分はしない。
 ならば、保護説得をやっている人を紹介すべきではない。それなのに・・・。

 自分は手を汚さずに、川崎氏の手を汚させる。
 卑劣なり!

 ついでに言っておけば、今年の1月3日に足立青年支部のNIさん(34)が拉致監禁された。
 彼女は入信したとき、摂食障害(過食)だった。彼女の知り合いは「原因は親子関係ではないか」と言うが、NIさん(日本語読みではINさん)に直接、話を聞いていないので、よく分からない。
 それが統一教会に入ってから、徐々に障害が和らいでいった。
 それでようやく合同結婚式への参加が認められ、この春、マッチングの祝福を受ける予定でいた。
 しかし、拉致監禁。
 もし、摂食障害の原因が親子関係にあったとしたら、緩和していた障害は一挙にぶり返すだろう。

 監禁説得を行うのが川崎氏だったら、川崎クリスチャンはINさんの精神疾患を含め全存在を引き受けなければならない。

 おそらく、世間知らず、人の精神のことも知らない川崎氏は統一教会批判はできても、INさんの全存在を引き受けることはできないだろう。 そもそも、自分が谷村教会で世話をした元信者がその後、PTSDを発症し苦しんでいることを知っても、何の痛みも感じないような感受性が鈍い人なのだから。

 しかし、INさんの家族に脱会方法を指南し、自ら脱会説得にあたるというのであれば、引き受けなければならないのだ。


 とまれ、ここでの小括。
 渡辺氏たち全国弁連の弁護士諸兄は、統一教会の経済活動は畏怖・困惑を軸にしているという。
  ならば、渡辺弁護士はどうなのか。
 信者家族を畏怖・困惑させることによって、顧客の拡大をはかっていると言わざるを得ない。 アーメン・ソーメン・ラーメンだ。
 
 
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コメント

嫌なら辞めろ

統一教会に居たころ、特にマイクロで珍味を売っていた時でしたが、実績がでなくて電話報告の際、ゼロです。の報告の際、体長から 小川おまえは傲慢だから売れないんだ。嫌なら辞めてもいいぞ。統一教会からこんなことを言うのだから、自分の力で脱会は不可能ではありません。首に縄付けてるわけじゃなし。辞めろと言われなくてもいつでも辞めれます。辞めても人はいくらでも補充できますので。

全く反対

私の知っている統一教会の現状からいえば、<一生自らの力で統一教会に残ることはほとんど不可能>という感じです。

座布団3枚!

 宮石さん、爆笑しました。
 座布団、3枚です。

 実は、先ほどある青年信者から退会届けに代わる教会への「告発文」を受け取りました。

 それによると、実に多くの青年信者が組織から離れていることがわかりました。
 <一生自らの力で統一教会に残ることはほとんど不可能>は、事実を正確に表現した言葉だと思います。 

現状把握能力

一生自らの力で統一教会に残ることはほとんど不可能

確かに爆笑ものですが、考えさせられることしきりです。

正しく現状を把握することが、問題解決の第一歩になります。
この現状把握能力が、拉致監禁首謀者・擁護派の面々は欠けています。
もしくは、自らのためにあえて全く違うものにしているのか?

これは、統一教会側も同じことですが。

正しく現状を把握しなければ、話す内容、打つ手が全く頓珍漢なものになってしまいます。
これが、結局、拉致監禁の実行となり、統一教会の現状となるのでしょう。

ネットで追う限りにおいて、反統一教会、統一教会の両方とも全く頓珍漢なことばかり。

どちらの陣営も、とにかく一回落ち着いて、自分の考え、主義主張を一回脇において、現状の把握に努められ、頭を冷やして打つ手を考えて欲しいものです。

国家的卑怯

<吉田牧師は卑怯だと思う。保護説得は信者を傷つけるやり方なので、自分はしない。
 ならば、保護説得をやっている人を紹介すべきではない。それなのに・・・>

拉致監禁派は例外なく、みんな卑怯です。

拉致監禁をやっているのに、やっていない、と言う信者家族。
信者家族に拉致監禁を指示しているのに、すべて家族がやっている、としらばっくれる宮村氏、松永牧師、川崎牧師ら。
拉致監禁の事実を知っているのに、すっとぼける渡辺弁護士、有田議員ら。
日本基督教団も渡辺弁護士と同様な勧誘行為をやっており、そうした勧誘行為を大学が手助けしている、という現状。

拉致監禁派とは言い難いまでも、拉致監禁の疑いを抱いていながら、動こうとしないマスコミ、警察、司法関係者も同罪でしょう。

卑怯が講じると、誰一人として「もう辞めよう」と言わないのですね。
いじめる連中が怖くて、一緒になって弱い者をいじめ、無視したりするのに似ています。

そろそろ、足を洗ったらどうでしょう。国家的いじめの構造、国家的卑怯は見苦しすぎます。

渡辺弁護士など取るに足らない

渡辺弁護士など僕の信仰の前では取るに足りません。

渡辺弁護士にてこずっている米本さんは、信仰が足りません。

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