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弁護士山口氏のコラムを評す(8) 

山口コラム(8)
小細工2

 警察庁の検挙ゼロ件の議事録を読んで、こんな仮説が生まれた。

牧師も、牧師の説明を鵜呑みにした信者家族も、ひょっとしたら、民事事件と刑事事件との区別がわからず、統一教会が数多く敗訴した民事事件を犯罪事件と思い違いをしているのではないか。それだったら話の辻褄があう

それでも、長年統一教会問題と取り組み、数多くの資料を収集している牧師も果たしてそうなのか・・。

今利理絵氏が訴えた黒鳥牧師、清水牧師が証言台に立つというので、横浜地裁に顔を出した。 閉廷してから山口弁護士に「取材したい」と話したら、首を振って「紀藤さんにしてよ」という。

そこで、紀藤弁護士に電話で取材を申し込んだ。しばし雑談したあと、彼曰く。
質問項目を送ってよ。近く、事務所に山口さんと渡辺さんが来るから、みんなで検討して返事をするよ」

そこで、ファックスした。

資料(2)を読んでもらえばわかる通り、実にシンプルな質問である。しかし、返事はなかった。何度か電話をかけ伝言を頼んだが梨のつぶて。

返事がないことから、てっきり犯罪の事実はないと思ってしまった。

弁護士たちは違法性の高い拉致監禁のことが暴露されるのを嫌がっている。それはわかっていたが、「反統一教会と闘う弁護士だから、犯罪の事実があれば教えてくれるだろう」と単純に思った。

また、弁護士たちが私を感情レベルで嫌悪していることはないという判断もあった。




 数年前、月刊『現代』に「福永法源の仮面を剥ぐ」という記事を書いたことがある。反響を呼んだ記事で、これをきっかけに被害者の会が発足したほどだ。そのときに紀藤氏に頼まれ、弁護士会館で10数人近くの弁護士たちに「宗教法人・法の華三法行」と「福永法源の集金手口」をレクチャーしたことがあったし、「牽強付会3」で書いたハレーション以後でも、後述するが、いろいろな交わりがあった。

 そこで、ルポでは次のように記述した。(資料(1)

信者のところには献金を要請するファックスがいまも頻繁に送られているし、教団名を明かした上で信者に勧誘された経験のある人は皆無といっていい。(略)

 ただし、これらの問題点をもって、統一教会を犯罪者集団だと一口に論じ、「彼らは犯罪者だから、何をしてもよい」と考えるのは間違っている。彼らを擁護しようとは思わない。

だが、過去に統一教会や信者が、殺人や傷害といった犯罪で「刑事被告人」として処罰された事実はない。民事裁判では数々の違法判決を受けており、その意味では彼らは「反社会性を帯びた集団」と言えるだろうが、「犯罪者集団」というレッテルは冷静さを欠く


 これに対する返礼が「小細工1」で書いた「彼は(略、こうした)事件などさえ知らないまま、あるいは敢えて無視して書いている」だった。私の質問に返事をしなかったことは、おくびにも出さずに。

 このあと、前述したように、紀藤弁護士が日本脱カルト協会で「取材の申し込みには応じなかった」と発言していることを知った。私が嵌められた!と感じても当然だろう。

 私は次のように穿つ。

 高偏差値の3人の弁護士は、資料(2)の私のファックスを読んで、こう考えた。

「彼は統一教会の犯罪と保護説得(監禁説得)との関係に関心を抱き、犯罪の事実がなければ保護説得は認められないと考えているのではないか。であれば、回答しなければ犯罪はないと書くはず。その間違いを、あとで指摘することができる」

 小細工したと考えるのは、穿ちすぎかもしれない。
 しかし、彼らは私の取材やルポの内容が気になってしかたがなかったのは間違いない。
横浜地裁に私が顔を出したことによって、3人の弁護士は対策会議を開いたという。

紀藤氏の電話口での話である。
米本さんが弾劾証拠を提出する(土壇場で今利氏側に圧倒的な有利になる証拠を原告に渡す)のではないかと、3人でわざわざ会議を持ちましたよ。もう、一時間もかけたんだから

こんなこともあった。
地裁に顔を出す前、秘かに、拉致監禁の裏付け取材をしていた頃の話である。
清水牧師の強制説得で脱会した子どもの母親(前出)のところに、清水氏から電話が入った。
そっちに米本から取材の電話がいってない?

 こうしたことから、前述したような小細工が行なわれたと推測しても、「牽強付会」ということにはならないだろう。
 
 記事の99%を無視し2、3行の間違いを指摘した山口氏のコラム。それによって、実際、ルポを読むことなく、記事は間違っていると話す人たちもいたと聞く。こうして、ルポのメインである「宗教監禁の恐怖と悲劇」の事実は無視されてしまった。

記事のごく一部に間違いがあるから記事のすべてが間違っている。
こんな非科学的なキャンペーンが行なわれたことがある。
宗教ジャーリストの室生忠氏が月刊誌『創』」(00年3月?8月号)で「知られざる『強制改宗』の攻防」と題した連載記事を書いたことがある。

これに対して、元東北学院大学教授の浅見定雄氏(日本脱カルト協会元理事長、現顧問)が名誉毀損で提訴した。結果は室生氏の敗訴で終わったが、仮に判決が正しかったとしても、それは記事全体のごくごく一部が間違っていただけの話である。
それにもかかわらず、反統一教会陣営は裁判に勝訴したとわざわざ『ペンよ、奢るなかれ』という小冊子まで作って、室生氏の記事すべてが間違っていたかのようなキャンペーンを展開した。
いったい、これはなんなのか。
>「ブログの骨格(目次)」を参照。

南京事件の第一人者、笠原十九司氏(都留文科大学教授)は、自著の『南京事件』(岩波新書)で、扉写真をキャプションとは関係ない写真を掲載するというミスをおかした。それだけで、南京虐殺まぼろし派や虐殺少数派から激しい批難にさらされた。
このことを明かした『南京事件論争史』(平凡新書)で笠原氏は過去の事件にも触れている。
森村誠一『続・悪魔の飽食』(光文社、1982年)が写真誤用で右翼勢力から強烈な批判攻撃と圧力を受けて『悪魔の飽食』とともに出版停止に追い込まれ、中国帰還者連絡会編『新編三光』(光文社、1982年)が一枚の写真の説明が誤っていたのを批判、攻撃され、欠陥本として市場から引き揚げさせられたことがあった

反統一教会陣営と右翼にはなにやら通底するものがあるようだ。
(拙いコラムですが、「一筆一論」を通読してもらえば、カルトと反カルトの相似形、反カルトのカルト性がおぼろげながら見えてくるはずです)


弁護士山口氏のコラムを評す(9)「小細工3」へ

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コメント

監禁の必要性の根拠が、統一教会は犯罪者集団、だからそこからマインドコントロールされた信者を脱会させるには監禁は緊急避難。と言う、欺瞞に満ちた論理が反統一教会集団の『御神体』なのだ。御本尊をお守りするためには彼らは、手段を選ばない。嘘つきもOK。事実の隠蔽も容易くやって退ける。何故、そこまで、『監禁様』に帰依するかと言えば、商売繁盛のドル箱信仰が彼らの根底に流れているからである。 監禁請け負い人には、金持ちの家しか相手にしないと言うヤツもいる。なんともおぞましい輩である。

反統一教会教

タイトルを入れ忘れました。自分のコメントを修正できないのですね。

山口コラム(8)
小細工?

 警察庁の検挙ゼロ件の議事録を読んで、こんな仮説が生まれた。

牧師も、牧師の説明を鵜呑みにした信者家族も、ひょっとしたら、民事事件と刑事事件との区別がわからず、統一教会が数多く敗訴した民事事件を犯罪事件と思い違いをしているのではないか。それだったら話の辻褄があう

それでも、長年統一教会問題と取り組み、数多くの資料を収集している牧師も果たしてそうなのか・・。

今利理絵氏が訴えた黒鳥牧師、清水牧師が証言台に立つというので、横浜地裁に顔を出した。 閉廷してから山口弁護士に「取材したい」と話したら、首を振って「紀藤さんにしてよ」という。

そこで、紀藤弁護士に電話で取材を申し込んだ。しばし雑談したあと、彼曰く。
「質問項目を送ってよ。近く、事務所に山口さんと渡辺さんが来るから、みんなで検討して返事をするよ」

そこで、ファックスした。

資料(2)を読んでもらえばわかる通り、実にシンプルな質問である。しかし、返事はなかった。何度か電話をかけ伝言を頼んだが梨のつぶて。

返事がないことから、てっきり犯罪の事実はないと思ってしまった。

弁護士たちは違法性の高い拉致監禁のことが暴露されるのを嫌がっている。それはわかっていたが、「反統一教会と闘う弁護士だから、犯罪の事実があれば教えてくれるだろう」と単純に思った。

また、弁護士たちが私を感情レベルで嫌悪していることはないという判断もあった。




 数年前、月刊『現代』に「福永法源の仮面を剥ぐ」という記事を書いたことがある。反響を呼んだ記事で、これをきっかけに被害者の会が発足したほどだ。そのときに紀藤氏に頼まれ、弁護士会館で10数人近くの弁護士たちに「宗教法人・法の華三法行」と「福永法源の集金手口」をレクチャーしたことがあったし、「牽強付会3」で書いたハレーション以後でも、後述するが、いろいろな交わりがあった。

 そこで、ルポでは次のように記述した。(資料(1))

信者のところには献金を要請するファックスがいまも頻繁に送られているし、教団名を明かした上で信者に勧誘された経験のある人は皆無といっていい。(略)

 ただし、これらの問題点をもって、統一教会を犯罪者集団だと一口に論じ、「彼らは犯罪者だから、何をしてもよい」と考えるのは間違っている。彼らを擁護しようとは思わない。

だが、過去に統一教会や信者が、殺人や傷害といった犯罪で「刑事被告人」として処罰された事実はない。民事裁判では数々の違法判決を受けており、その意味では彼らは「反社会性を帯びた集団」と言えるだろうが、「犯罪者集団」というレッテルは冷静さを欠く

 これに対する返礼が「小細工1」で書いた「彼は(略、こうした)事件などさえ知らないまま、あるいは敢えて無視して書いている」だった。私の質問に返事をしなかったことは、おくびにも出さずに。

 このあと、前述したように、紀藤弁護士が日本脱カルト協会で「取材の申し込みには応じなかった」と発言していることを知った。私が嵌められた!と感じても当然だろう。

 私は次のように穿つ。

 高偏差値の3人の弁護士は、資料(2)の私のファックスを読んで、こう考えた。

「彼は統一教会の犯罪と保護説得(監禁説得)との関係に関心を抱き、犯罪の事実がなければ保護説得は認められないと考えているのではないか。であれば、回答しなければ犯罪はないと書くはず。その間違いを、あとで指摘することができる」

 小細工したと考えるのは、穿ちすぎかもしれない。
 しかし、彼らは私の取材やルポの内容が気になってしかたがなかったのは間違いない。
横浜地裁に私が顔を出したことによって、3人の弁護士は対策会議を開いたという。

紀藤氏の電話口での話である。
「米本さんが弾劾証拠を提出する(土壇場で今利氏側に圧倒的な有利になる証拠を原告に渡す)のではないかと、3人でわざわざ会議を持ちましたよ。もう、一時間もかけたんだから」

こんなこともあった。
地裁に顔を出す前、秘かに、拉致監禁の裏付け取材をしていた頃の話である。
清水牧師の強制説得で脱会した子どもの母親(前出)のところに、清水氏から電話が入った。
「そっちに米本から取材の電話がいってない?」

 こうしたことから、前述したような小細工が行なわれたと推測しても、「牽強付会」ということにはならないだろう。
 
 記事の99%を無視し2、3行の間違いを指摘した山口氏のコラム。それによって、実際、ルポを読むことなく、記事は間違っていると話す人たちもいたと聞く。こうして、ルポのメインである「宗教監禁の恐怖と悲劇」の事実は無視されてしまった。

記事のごく一部に間違いがあるから記事のすべてが間違っている。
こんな非科学的なキャンペーンが行なわれたことがある。
宗教ジャーリストの室生忠氏が月刊誌『創』」(00年3月?8月号)で「知られざる『強制改宗』の攻防」と題した連載記事を書いたことがある。

これに対して、元東北学院大学教授の浅見定雄氏(日本脱カルト協会元理事長、現顧問)が名誉毀損で提訴した。結果は室生氏の敗訴で終わったが、仮に判決が正しかったとしても、それは記事全体のごくごく一部が間違っていただけの話である。
それにもかかわらず、反統一教会陣営は裁判に勝訴したとわざわざ『ペンよ、奢るなかれ』という小冊子まで作って、室生氏の記事すべてが間違っていたかのようなキャンペーンを展開した。
いったい、これはなんなのか。
>「ブログの骨格(目次)」を参照。

南京事件の第一人者、笠原十九司氏(都留文科大学教授)は、自著の『南京事件』(岩波新書)で、?章の扉写真をキャプションとは関係ない写真を掲載するというミスをおかした。それだけで、南京虐殺まぼろし派や虐殺少数派から激しい批難にさらされた。
このことを明かした『南京事件論争史』(平凡新書)で笠原氏は過去の事件にも触れている。
「森村誠一『続・悪魔の飽食』(光文社、1982年)が写真誤用で右翼勢力から強烈な批判攻撃と圧力を受けて『悪魔の飽食』とともに出版停止に追い込まれ、中国帰還者連絡会編『新編三光』(光文社、1982年)が一枚の写真の説明が誤っていたのを批判、攻撃され、欠陥本として市場から引き揚げさせられたことがあった」

反統一教会陣営と右翼にはなにやら通底するものがあるようだ。
(拙いコラムですが、「一筆一論」を通読してもらえば、カルトと反カルトの相似形、反カルトのカルト性がおぼろげながら見えてくるはずです)

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