弁護士山口氏のコラムを評す(7) 

山口コラム(7)
小細工1

小細工 : 根本的な解決ではなく、つまらない策略や手段で一時を糊塗すること(新明解国語辞典



 コラムを読んで思わずのけぞり「嵌められた」と思ったのは、次の一文だった。

彼は統一協会が有罪判決を受けた恐喝事件、薬事法違反事件、マイクロ過労運転の死亡事故、古参の信者大貫の殺人事件、韓国人夫が日本人妻を殺した事件などさえ知らないまま、あるいは敢えて無視して書いている

これを読めば、誰だって、米本和広のルポは統一教会を身びいきしたものと思うだろう。
なぜ、嵌められたと思ったのか。話は長くなる。

 そもそも、子どもがマスコミから批判されている宗教(的)団体に入信していることを知ると、「やめろ」「やめない」で言い争いになる。話はどこまでいっても平行線。かつてのヤマギシ会やオウムを含め、ここまではよくある話である。

ところが、統一教会の場合に限って、両親はあるときから“飛躍的行動”に走る。

子どもを拉致しマンションに監禁し、牧師の脱会説得に応じるように強要するようになるのだ。

自宅などでのふつうの親子の話し合いから、いきなり家族が過激な行動に出るのは、藁をもすがる思いで相談に出向いた牧師に、こう説明されるからだ。

「お子さんは今は被害者だが、このまま信者でいつづければやがて犯罪の加害者になる。脱会させるには保護説得しかありません」

なかには「統一教会は犯罪者集団だ」とストレートに語る牧師もいて、信者家族が焦燥感に駆られる場合も少なくない。

 このことを知ったとき、強い違和感を覚えた。犯罪の加害者、犯罪者集団という表現にである。
統一教会は反社会性を帯びた教団というイメージはあったが、信者が犯罪をおかしているような事実を具体的に知らなかったからだ。



 いっぱんに、「犯罪者」「犯罪者集団」という言葉はあまり使われない。語感が重苦しくおどろおどろしいからであろう。

世田谷のマンションで集団で暮らすオウム信者を指して近所の人たちは「犯罪者集団の一員」とは言わないし、暴対法の指定団体になっている山口組や住吉会、稲川会とて、マスコミは「犯罪者集団」ではなく「暴力(集)団」と表現する。

しかし、もし統一教会が文字通り犯罪者集団なら、新しく入信した若者もいずれ犯罪をおかすことになる。それが事実なら、親が子どもを監禁するのは「緊急避難」(刑法第37条)としてやむにやまれぬ行為と見ることもできる。



「犯罪の加害者になる」と清水牧師に説明され、拉致監禁を実行し、子どもを脱会させた経験をもつ母親と懇意になった。
そこで、質問した。
「どんな犯罪を行なってきたのか知っていますか」
彼女はかなり考えた末、困惑した様子で、
「そういやあ、具体的には知らへんねえ」

寺田こずえ氏が訴えた裁判で、神戸真教会の高澤守牧師が大阪地裁の証言台に立った。
寺田側の弁護士が質問した。
「あなたは統一教会を犯罪者集団というが、具体的にどんな犯罪をおかしているのか」

高澤氏は額に汗を浮かべながら、結局、答えることができなかった。
「統一教会は犯罪者集団だ」、「脱会させるには“保護”説得しかない」と説明しておきながら、犯罪の事実を具体的に答えることができないとは。新鮮な驚きを覚えた。



 山口氏のコラムが掲載された、月に一回発行される『弁連通信』を数年間講読していたが(ルポ後、購買を拒否される)、犯罪に関する記事はなかった。

次第に疑念がわいてきた。

 さらに調べてみると、98年4月に国会で共産党議員が質問し、警察庁の幹部職員が答えていた。
「過去5年間に悪質商法に係わる事件の検挙のうち、統一協会に関係があるのは一件もなかった」

 これには正直、驚いた。
(『弁連通信』でも、この国会答弁のことは記事にされてはいたが、「検挙は一件もない」という一文はなかったと記憶する)

あれほど「霊感商法の統一教会」とマスコミで報道されているのにゼロ件とは。“カルト”問題に関心のある知人にこのことを話すと、「まさかぁ・・」と面食らっていた。

結論を述べておく。
「統一教会は犯罪者集団。お子さんもいつかは犯罪の加害者になる」
これは、保護説得=監禁説得を実行させるためるための勧誘トークにすぎないのである。


話はそれるが、他団体のことにも触れておく。
エホバの証人でも、日本バプテスト教会連合の牧師が中心となって、“保護”説得が活発に行なわれていたことがある。多いのは夫が妻を監禁するパターンである。


大野教会(神奈川県相模原市)の中澤啓介牧師によれば、相談にやってきた夫には(1)妻の信仰を認める。(2)自分で脱会説得を行なう。(3)離婚する。(4)救出専門の牧師に“保護”説得を頼むーなど5つの選択肢を提示するという。

この話を聞いたときにはとても民主的だと思った。しかし、冷静に考えれば、相談者は妻をなんとか脱会させたい、離婚になるのはなんとしてでも避けたいと思ってやってきた人たちである。いくつかの選択肢を提案されようが、選択するのは1つしかないのだ。
民主的ではなく、老獪なレトリックでしかないのである。

現在、活発に“保護”説得が行なわれているのは摂理だと言われている。
牧師たち(主に統一教会の脱会説得牧師)が、信者家族をどのようにして“保護”説得に誘って(いざなって)いるのか、残念ながら、取材できていない。

: カルト用語をヒゲつきで表現するのは、カルトの定義がないからだ。新宗教、新新宗教と表現する学者もいる。定義不明ゆえ、カルトを使うときには、いわゆるという意味を込めて、“カルト”と表現する。「カルトって何ですか」参照


弁護士山口氏のコラムを評す(8)「小細工2」へ

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コメント

どちらが犯罪集団?

犯罪集団、奴ら好きだよね、この言葉。妻を監禁した、清水牧師も、監禁部屋で妻に『お前らは犯罪集団だ!』と断定してたそうです。監禁部屋で、妻を脅迫してた、清水牧師のほうが、明らかに犯罪者だよね。バカだよこいつ。統一教会は犯罪集団だと言う、具体的刑法犯罪を少なくとも、百個位は上げてくれると納得できるんたが。あり得ないね。所詮、反統一教会集団の言い掛かりに過ぎないな。政治的な臭いがぷんぷんする。や~い、嘘つき牧師!監禁牧師!お前らこそ、犯罪集団だ!悔しかっら、統一教会員の刑法犯を百人上げてみろ。どアホ!

摂理のみなさんへ

摂理のメンバーに対しても、“保護”説得が活発に行われていると聞いています。しかし、本文で書いたように、どんな情況かわかりません。もしよろしければ、教えてください。
連絡先はプロフィールに書いてあります。ここでコメントしてもらう場合は「管理者にだけ表示を許可する」ボタンを教えてください。
よろしくお願いいたします。

自悶

あるクリスチャン(父親)の話。「息子はマフィア(統一教会)に入ってしまった」と苦しんだ末、信仰を賭けて監禁したものの失敗。その後家族ばらばらになり、ご自信の信仰までも失ってしまった。結局彼の信じる神様は息子を救ってくれなかったと絶望して…。
一体この闘いは何なのかと”自悶”する。

訂正

「摂理のみなさんへ」の文中、「管理者にだけ表示を許可する」ボタンを教えてください→「管理者にだけ表示する許可する」ボタンを押して、書き込んでくださいに訂正します。

それは真剣に祈ってないだけ

 信仰を賭けて監禁したものの失敗。その後家族ばらばらになり、ご自信の信仰までも失ってしまった。結局彼の信じる神様は息子を救ってくれなかったと絶望して…。
 <神様を何様だと思ってるの?神様はあんたの奴隷じゃないの。どっちが正しいか真剣に祈れば私なんかより分かるはず。
 あんた牧師やってて、どんな信仰してきたわけ?通誠祈祷とかやってないだろう?と言いたいね。

山口コラム(7)
小細工?

小細工 : 根本的な解決ではなく、つまらない策略や手段で一時を糊塗すること(新明解国語辞典)



 コラムを読んで思わずのけぞり「嵌められた」と思ったのは、次の一文だった。

「彼は統一協会が有罪判決を受けた恐喝事件、薬事法違反事件、マイクロ過労運転の死亡事故、古参の信者大貫の殺人事件、韓国人夫が日本人妻を殺した事件などさえ知らないまま、あるいは敢えて無視して書いている」

これを読めば、誰だって、米本和広のルポは統一教会を身びいきしたものと思うだろう。
なぜ、嵌められたと思ったのか。話は長くなる。
 そもそも、子どもがマスコミから批判されている宗教(的)団体に入信していることを知ると、「やめろ」「やめない」で言い争いになる。話はどこまでいっても平行線。かつてのヤマギシ会やオウムを含め、ここまではよくある話である。

ところが、統一教会の場合に限って、両親はあるときから“飛躍的行動”に走る。

子どもを拉致しマンションに監禁し、牧師の脱会説得に応じるように強要するようになるのだ。

自宅などでのふつうの親子の話し合いから、いきなり家族が過激な行動に出るのは、藁をもすがる思いで相談に出向いた牧師に、こう説明されるからだ。

「お子さんは今は被害者だが、このまま信者でいつづければやがて犯罪の加害者になる。脱会させるには保護説得しかありません」

なかには「統一教会は犯罪者集団だ」とストレートに語る牧師もいて、信者家族が焦燥感に駆られる場合も少なくない。

 このことを知ったとき、強い違和感を覚えた。犯罪の加害者、犯罪者集団という表現にである。
統一教会は反社会性を帯びた教団というイメージはあったが、信者が犯罪をおかしているような事実を具体的に知らなかったからだ。



 いっぱんに、「犯罪者」「犯罪者集団」という言葉はあまり使われない。語感が重苦しくおどろおどろしいからであろう。

世田谷のマンションで集団で暮らすオウム信者を指して近所の人たちは「犯罪者集団の一員」とは言わないし、暴対法の指定団体になっている山口組や住吉会、稲川会とて、マスコミは「犯罪者集団」ではなく「暴力(集)団」と表現する。

しかし、もし統一教会が文字通り犯罪者集団なら、新しく入信した若者もいずれ犯罪をおかすことになる。それが事実なら、親が子どもを監禁するのは「緊急避難」(刑法第37条)としてやむにやまれぬ行為と見ることもできる。



「犯罪の加害者になる」と清水牧師に説明され、拉致監禁を実行し、子どもを脱会させた経験をもつ母親と懇意になった。
そこで、質問した。
「どんな犯罪を行なってきたのか知っていますか」
彼女はかなり考えた末、困惑した様子で、
「そういやあ、具体的には知らへんねえ」

寺田こずえ氏が訴えた裁判で、神戸真教会の高澤守牧師が大阪地裁の証言台に立った。
寺田側の弁護士が質問した。
「あなたは統一教会を犯罪者集団というが、具体的にどんな犯罪をおかしているのか」

高澤氏は額に汗を浮かべながら、結局、答えることができなかった。
「統一教会は犯罪者集団だ」、「脱会させるには“保護”説得しかない」と説明しておきながら、犯罪の事実を具体的に答えることができないとは。新鮮な驚きを覚えた。



 山口氏のコラムが掲載された、月に一回発行される『弁連通信』を数年間講読していたが(ルポ後、購買を拒否される)、犯罪に関する記事はなかった。

次第に疑念がわいてきた。

 さらに調べてみると、98年4月に国会で共産党議員が質問し、警察庁の幹部職員が答えていた。
「過去5年間に悪質商法に係わる事件の検挙のうち、統一協会に関係があるのは一件もなかった」

 これには正直、驚いた。
(『弁連通信』でも、この国会答弁のことは記事にされてはいたが、「検挙は一件もない」という一文はなかったと記憶する)

あれほど「霊感商法の統一教会」とマスコミで報道されているのにゼロ件とは。“カルト”問題に関心のある知人にこのことを話すと、「まさかぁ・・」と面食らっていた。

結論を述べておく。
「統一教会は犯罪者集団。お子さんもいつかは犯罪の加害者になる」
これは、保護説得=監禁説得を実行させるためるための勧誘トークにすぎないのである。


話はそれるが、他団体のことにも触れておく。
エホバの証人でも、日本バプテスト教会連合の牧師が中心となって、“保護”説得が活発に行なわれていたことがある。多いのは夫が妻を監禁するパターンである。


大野教会(神奈川県相模原市)の中澤啓介牧師によれば、相談にやってきた夫には?妻の信仰を認める。?自分で脱会説得を行なう。?離婚する。?救出専門の牧師に“保護”説得を頼むーなど5つの選択肢を提示するという。

この話を聞いたときにはとても民主的だと思った。しかし、冷静に考えれば、相談者は妻をなんとか脱会させたい、離婚になるのはなんとしてでも避けたいと思ってやってきた人たちである。いくつかの選択肢を提案されようが、選択するのは1つしかないのだ。
民主的ではなく、老獪なレトリックでしかないのである。

現在、活発に“保護”説得が行なわれているのは摂理だと言われている。
牧師たち(主に統一教会の脱会説得牧師)が、信者家族をどのようにして“保護”説得に誘って(いざなって)いるのか、残念ながら、取材できていない。


注: カルト用語をヒゲつきで表現するのは、カルトの定義がないからだ。新宗教、新新宗教と表現する学者もいる。定義不明ゆえ、カルトを使うときには、いわゆるという意味を込めて、“カルト”と表現する。「カルトって何ですか」参照

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