弁護士山口氏のコラムを評す(5) 

山口コメント(5)
勝訴の裏側2

 清水牧師が強制説得に関わっていたことを知っていたのは、紀藤弁護士ばかりではなかった。

 今利氏が提訴してから、弁護士たちは清水、黒鳥の両牧師に有利になるような陳述書を裁判所に提出することを決めた。清水氏は自分の説得によって脱会した元信者に陳述書を依頼した。

入信から脱会までの経緯を書いて欲しい。ポイントは親子で話し合いに入った経緯、できれば希望して話し合いに入ったことなど。私との話し合いは平穏だったこと」

 牧師側の裁判戦術が透けて見える。

 これまでの監禁事例をつぶさに読んでもらえばわかる通り、両親など家族が子どもを拉致し、マンションに監禁し、牧師が脱会説得に訪れ、脱会を迫る。これが真実である。

 これを、牧師側はこうしたいのである。
「両親など家族と話し合いをするためにマンションに自らの意思で入った。牧師と話し合うようになったのは私が希望したからであり、場の雰囲気は平穏だった」

 実際、横浜地裁では家族、親戚、2人の牧師がこのシナリオのもとに証言し、「監禁された」「無理やり話し合いに応じさせられた」との今利氏の主張を全面的に否定した。

 話は少しそれる。

 強制説得は違法だと訴える当事者が「監禁されたことを裁判で立証する」のはきわめて難しい。

 なにしろ、監禁部屋にいたのは当事者を除けば、脱会を迫る家族・親戚、牧師だけ。玄関や窓に施された厳重な鍵を証拠として提出することはできない。証拠は当人の主張のみ。第三者の目撃者がいないのである。

「話し合いを決して嫌がっているように見えませんでしたよ。にこやかに対応されていました」
「お風呂にゆっくりつかっていましたよ。監禁だなんて嘘です」
「マッサージしてあげたら、とても喜んでいました」


 多勢に無勢なのである。

 勝訴率の低い医療過誤裁判も似たところがある。専門性が要求されるし、医師や看護婦に証言を期待することはできない。「自分はこんな体験をした」と訴えても、「そんなことはありませんでした」と言われたら、おしまいである。
勝訴率の低さを嘆く弁護士は、「医療裁判には専門性・密室性・封建制の壁がある」という。

 それでも、医療裁判の場合、改竄が日常的というカルテに過大な期待することはできないにしても、看護サマリーやレセプト、検査データなどの物的証拠はある。

 それに対して、悲しいかな、「監禁裁判」の証拠は当事者の証言のみ。密室性の壁が大きく立ちはだかる。

 話を戻す。

 清水氏によって脱会した元信者たちの陳述書は、牧師側の主張を補強するものとなった。

ところが、このシナリオ通りの陳述書を書かなかった脱会者が一人だけいた。

勝訴の裏側1」で書いた、紀藤氏との面会に高須氏と同行した前出の女性、元信者のKM氏だった。

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コメント

保護の必要性について主張しろよ!

私はね、てっきり、監禁か保護かが裁判の焦点になると思ってました。ところが、蓋を開けて見ると、知らぬ存ぜぬの全面否定の被告人たちに、唖然としましたね。保護が正しいと言うなら、堂々とその必要性について主張しろよ!って頭に来ましたね。だからさ、悪い事やってんだよ。自分達で証明してましたね。

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