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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(3) 

保護説得と親子関係(3) 解離

親は子どもに謝罪すべきか否か(3)


 前回の「保護説得と親子関係(2)」で、 「traumaの症状は、戦争・レイプ・誘拐・災害・略奪・事故・暴行・監禁などの衝撃的な体験によって生じる」、その衝撃度は「その人の性格や、出来事そのものの規模によって異なる」と述べた。

 では、トラウマの症状が出ているのに適切なケアが行われなかった場合、あるいは精神的衝撃がその人によってより重かった体験者は、どのような精神疾患になるのか。
 『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』に沿って、述べることにしたい。

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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(4) 

保護説得と親子関係(4) 依存

親は子どもに謝罪すべきか否か(4)


 ブログのタイトルにあるTSDPost Traumtic Stress Disorder)を、『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』(以下、すべてがわかる本と表記)を引用しながら、説明することにする。

「トラウマの被害として、一般によく知られているのは、PTSDでしょう。災害や事件などにあって、その体験がトラウマとなり、生活に支障が出ている状態を指します。
 ただ、こうした基礎知識は普及しているのですが、PTSDが体験後一カ月以上経過して、はじめて診断されるということは、あまり広く知られていないようです。
 テレビや新聞で『災害の直後にPTSDになった』と報道されることがありますが、これは誤りです。PTSDはトラウマ反応が消えず苦しむことです」
(16頁) 

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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(5) 

保護説得と親子関係(5) 無知蒙昧

親は子どもに謝罪すべきか否か(5)


 前回のブログでは、『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』をもとに、PTSDの症状を説明した。このPTSDというやっかいな精神疾患をさらに考えていきたい。

 最初に、「高山牧師への質問書」の中で、{精神科医によってPTSDと診断されたのは7人になった」と書いたが、「親子関係(3)」で述べたように、1人は「解離性障害」と診断されたため、正確には6人である。訂正しておきます。

 6人のうち4人は、それぞれバリエーションはあるものの、『すべてがわかる本』で説明された通りの、1カ月以上トラウマ症状が続いていたことから、PTSDと診断されたが、残る2人(男性と女性)は監禁から10年以上が経過してから、すなわち結婚し家庭をもってから、トラウマ症状が生じ、いずれも最近になって、PTSDと診断された。

 本ではこうした事例の紹介とその解説がなされていないが、どう解釈したらいいだろうか。

 なお、6人のうち3人は脱会した元信者。2人は統一教会に戻った現役信者。もう一人は、脱会後、再び教会に戻ったあと、PTSDと診断されている。

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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(6) 

保護説得と親子関係(6)

親は子どもに謝罪すべきか否か(6)

 投稿ありがとうございました。いろいろ再認識させられました。このテーマではこの記事が最終回です。 

 これまでの記事を整理すれば、最初に(1)で問題提起を行うとともに、保護説得後の親子関係の状態を紹介し、(2)(3)(4)(5)で、親の保護(拉致監禁)による子どもへの心的外傷(トラウマ、ポストトラウマ)について、詳細に述べた。
 最終回では、問題提起(親は子どもに謝罪すべきか否か)に対する回答を綴ることにする。
 
 たとえば、親からみて子どもが何か悪いことをしていると思ったとき、子どもを注意し、叱る。親として当然の行為である。そのときに子どもが「うっせえな」と反抗的な態度を取れば、親はカッとなる。これも、ごく自然な感情である。

 カッとなり、思わず、そばにあった灰皿を投げつける場合だって、ごく稀にはあるかもしれない。
 それが、運悪く、子どもの眉間にあたり、額が割れ、血が流れる。 

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保護(拉致監禁)説得の本質とは何なのか。 

保護説得と親子関係(7)

「親は子どもに謝罪すべきか否か」のテーマで、6回にわたって述べてきました。だいたい書き尽くしたかと思っていたところ、「猫」さんから投稿がありました。<まだ理解されてないことがあるのだなあ>とつくづく思いました

 そこで、この投稿に返信するという形で、テーマの補論といたします。
 直接には投稿を批判するわけですが、あくまで補論の材料とするだけで、猫さんを個人的に批判したいという意図は毛頭ありません。誤解なきようにお願いいたします。


 はじめに、猫さんの投稿の全文を引用しておきます。私がコメントするのは下線部分

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渡辺博弁護士の秘密めいた手紙がもう一つ見つかる! 

「渡辺博弁護士の秘密めいた手紙(9)」

 田中幸子さんの渡辺弁護士懲戒請求事件で、私は意見書を第二東京弁護士会に提出した。そこ(「秘密めいた手紙(6)」)で、次のように述べている。

「田中さんから渡辺弁護士の手紙を見せてもらったあと、怒りを禁じ得なかった私は、かなりの労力を割いて調べました。その結果、田中さんを含めて6人の教会員の家族のところに、ほぼ同じ文面で手紙を渡辺弁護士が出していることが判明しました」

 最近、そのうちの一通の手紙が田中さんによって東京第二弁護士会・綱紀委員会に証拠として提出された。
 その手紙の全文を紹介しておく。

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赤ずきんちゃん、気をつけて! 

お知らせ(18)

 あと少しで2009年も終わります。
 来年はどんな年になるのでしょうか。

 老母の介護もあって、12月29日から1月4日まで田舎(島根県松江市)に帰ります。のんびりしたいところですが、介護をお願いしているヘルパーさんが正月休みに入るので、母親の食事づくりに精を出さねば。
 
ブログの更新は1月4日まではお休みいたします。
 
 ブログを始めたのは今年の2月のこと。スタートした当初はどうなることやらと思っていましたが、一年も経たずにアクセス件数が20万台になるなんて、思いもよらないことでした。
 いつも見ていただいて、ありがとうございました。

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