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カルトって何ですか?  

一筆一論(6)

用語と用語法-カルト

アメリカから輸入された「カルト」「マインドコントロール」用語の定義があいまいなことは、前回述べた。
当初、私も「カルト」用語を使っていたが、よく考えるとイメージ的認識しかなかった。まあ簡単に言えば「邪悪な集団」といったイメージである。


知的頽廃

イメージでしかない用語を記事で使用することはできない。いろいろ読み漁ったが、定義はなかった。
これだけ世間に流布する「カルト」用語なのに、驚いたことに、定義がないのだ。

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空疎な「マインドコントロール論」  

一筆一論(7)

用語と用語法-マインドコントロール論

マインドコントロール」も定義がはっきりしない用語である。この言葉をよく口にする“カルト”問題に関心がある人に質問しても、きちんと説明できる人は一人もいなかった。

 さすがに、この用語を日本に流布させた静岡県立大学准教授の西田公昭氏(日本脱カルト協会理事)は、自著の『マインド・コントロールとは何か』で、はっきり定義している。

それを要約すれば、マインドコントロールとは
(1)他者が自らの目的のために
(2)本人が他者からの影響を知覚しない間に
(3)意思決定過程に影響を及ぼすことである。

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「マインドコントロール論」の弊害について 

一筆一論(8)

用語と用語法-マインドコントロール論の弊害

前回の一筆(7)のコメント欄で、nolemさんが次のように指摘されました。

<マインド・コントロール論の問題は、米本さんご指摘の点の他にも、「脱会者や脱退者の社会復帰に悪影響を与える可能性がある」という点を指摘したいです>

 nolemさんがあとで書かれているように、 『我らの不快な隣人』290頁でも触れてはいますが、とても重要な指摘だと思うので、「用語と用語法」を続ける前に、「マインドコントロールの弊害」と題して、改めて書くことにしました。
 かなりの長文になってしまいそうです。ゆっくり読んでいただけたら・・・。

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統一教会(統一協会)を脱会した人たちの生の声 

資料(4)

「一筆(8)」でアナウンスした「統一教会の元信者の生の声」を紹介する。

 以下に引用するのは、強制説得を手がけていた日本基督教団の川崎経子氏が、脱会した信者に配ったアンケートを集約したものである。

「統一協会で得たものがあったか、それをどう生かしていきたいか」

(回答者は28人。恣意的な引用と誤解されたくないために全員の回答をそのまま載せる。回答は原文のママを基本とするが、わかりやすい表現にしたところもある。不明な点は?マークを入れた)

なお、このアンケート調査は『我らの不快な隣人』380頁注14でも違う角度から触れている。

統一教会の人にとっても、反統一教会の人にとっても、あるいは“カルト”に関心のある人にとっても、<脱会した人たちがやめたあと過去の統一教会にどんな気持ちを抱いているのか・・・>?興味深い必見資料だと思う。

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「拉致監禁をなくす会」が活動を開始 

ニュース(6)

“拉致監禁派の聖地”荻窪で、活動を開始

「拉致監禁をなくす会」がさる.3月15日と22日に東京の荻窪駅で、街頭宣伝を行った。 (聖地の意味は用語解説参照)

 駅北口のロータリーで、
「あなたは信じられますか?ここ荻窪で私は12年5カ月監禁されました!事件首謀者、ついに送検!」
の文字が書かれた長さ3メートルの横断幕の前で、ビラを通行人に配りながら、監禁体験者が次々とマイクで監禁の現実を訴えた。


↑クリックすると大きくなります。

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後藤徹の陳述書? 

後藤陳述書(1)

これから、12年5カ月にわたる監禁事件の被害者、後藤徹さんが告訴状とともに警察に提出した陳述書を掲載する。

なにしろ12年以上もの監禁体験!
端折って書かれてはいるが、きわめて長文である。
それゆえ15回にわけて載せることにする。

参考サイトは「ニュース(1)」 「ニュース(3)」 「ニュース(6)」


統一教会の人たちであれ、反統一教会の立場を取る人たちであれ、12年間も監禁された一人の青年が綴った体験談に、真剣に、耳を傾けてください。

『我らの不快な隣人』エピローグを先に目を通していただいたほうが読みやすいと思います。


長文ゆえ読みやすくするために、(1)行空け・改行を適宜行いました。(2)中見出し(緑色)をつけました。(3)色付けや太字にしました。(4)意味をわかりすくするためにリンクを貼るとともに、補足説明を行いました。(注)としたところが説明部分です。

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後藤徹の陳情書の説明 

お知らせ(7)

 最初に説明すべきでしたが、後藤徹氏が警察に提出した陳述書は2通あります。ここでアップしている陳述書は最初に提出したものです。

後藤徹の陳述書? 

後藤陳述書(2)

陳述書の構成 (08年4月2日作成)
1・略歴/2・統一教会への入会
3・第1回目の監禁
4・第1回目の監禁から脱出後の経緯
5・第2回目の監禁 (1) 新潟のマンションでの監禁/(2) 東京のマンション(1カ所目)での監禁/(3) 東京のマンション(2カ所目)での監禁/(4) 宮村等による脱会説得/(5) ハンガーストライキの決行(第1回目21日間)/(6) ハンガーストライキの決行(第2回目21日間)/(7) ハンガーストライキの決行(第3回目30日間)/(8) 監禁からの解放
6.入院後の経緯/7.最後に
 青印が今回アップした部分です。



兄も強制説得で脱会


3.第1回目の監禁

 1987年5月頃、兄が、現在の西東京市(当時保谷市)の自宅に帰った際に、家族らによって監禁され脱会説得を受けました。

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後藤徹の陳述書? 

後藤陳述書(3)

陳述書の構成 (08年4月2日作成)
1・略歴/2・統一教会への入会/3・第1回目の監禁
4・第1回目の監禁から脱出後の経緯
5・第2回目の監禁
(1) 新潟のマンションでの監禁/(2) 東京のマンション(1カ所目)での監禁/(3) 東京のマンション(2カ所目)での監禁/(4) 宮村等による脱会説得/(5) ハンガーストライキの決行(第1回目21日間)/(6) ハンガーストライキの決行(第2回目21日間)/(7) ハンガーストライキの決行(第3回目30日間)/(8) 監禁からの解放
6.入院後の経緯/7.最後に
 青印が今回アップした部分です。



兄と兄嫁は「青春を返せ裁判」の原告に

4.第1回目の監禁から脱出後の経緯

ホームに帰ってより後は、職場に戻ると再度家族等から拉致されるかも知れないという恐怖心があったため、戻ることができませんでした。
このため大成建設を退社し、その後は、信徒組織にて献身的に伝道活動や教育活動に従事するようになりました。

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ブログの骨格を改訂しました。 

お知らせ(8)

 「ブログの骨格?火の粉を振り払え」を整理、改訂いたしました。
 この欄は本で言えば目次として位置づけたものです。

 ブログは、ホームページと比べ操作性は簡単ですが、その一方、どうしても新しく書いた記事は過去化され、前後の脈絡がわかりにくくなるという欠陥があります。それを補うために設けたのが「ブログの骨格」です。
 読んでいる記事はブログ全体の中でどういう位置づけなのか?わからなくなったときは目次に立ち戻っていただけたらと思います。
 では、引き続き後藤陳述書をアップしていきます。

後藤徹の陳述書? 

後藤陳述書(4)

陳述書の構成 (08年4月2日作成)
1・略歴/2・統一教会への入会/3・第1回目の監禁/4・第1回目の監禁から脱出後の経緯
5・第2回目の監禁
(1) 新潟のマンションでの監禁
(2) 東京のマンション(1カ所目)での監禁/(3) 東京のマンション(2カ所目)での監禁/(4) 宮村等による脱会説得/(5) ハンガーストライキの決行(第1回目21日間)/(6) ハンガーストライキの決行(第2回目21日間)/(7) ハンガーストライキの決行(第3回目30日間)/(8) 監禁からの解放
6.入院後の経緯/7.最後に
 青印が今回アップした部分です。



<写真説明>
宮村氏らの非道ぶりを訴える「拉致監禁をなくす会」の小出浩久代表

東京から新潟へ

5.第2回目の監禁
(1) 新潟のマンションでの監禁

1995年9月11日夜、東京都西東京市の自宅に帰宅して滞在中、両親、兄、及び庭に潜んでいた見知らぬ男性らによって四方八方を囲まれ、左右両脇を抱えられ抵抗できない状態にされて、家の中から引きずり出され、ワゴン車に監禁されました。後日判ったことですが、庭に潜んでいた男性は、宮村が経営する株式会社タップの従業員でした。

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