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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える?(1) 

保護説得と親子関係(1) 同居を好まず

親は子どもに謝罪すべきか否か(1)

 「高山牧師への質問書」「保護か拉致監禁か」のコメント欄で、秀さんと自主脱会PTSDさん、佐藤さんが、監禁した親は子どもに謝罪すべきかどうかを話題にされていました。
 とても重要で深刻なテーマなので、予定を変更して、急遽、取り上げておくことにします。
 保護か拉致監禁かのテーマとも関係し、続編として読んでいただければ幸いです。

 とりわけ、強制説得に成功した元信者家族失敗した信者家族の方々が読んでくれることを期待しています。

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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(2) 

保護説得と親子関係(2) 子ども目線

親は子どもに謝罪すべきか否か(2)


 外傷と違って心の傷(トラウマ)は外から見ても分からない。このことは、前回」のブログ「一筆(9)」で述べた。

 ところで、ここ数年、「トラウマ」(trauma)という言葉が、本来の意味から離れて、日常的に使われるようになっている。たとえば、「彼女にふられてトラウマになった」とか。しかし、traumaの本来の意味は、手元にある小学館の『プログレッシブ英和中辞典』(初版1980年)によれば、病院用語として「外傷」「外傷性傷害」、精神医学用語として「精神的衝撃」となっている。一般用語としての記述はなく、病院、精神医学用語としてしか使われていない。

 英語圏に住む人たちが「彼女にふられて心が傷ついた」という意味で、traumaという言葉を使うことはない。イギリスに長く住んだことのある友人によれば、この場合の「心が傷つく」はget hurtと表現するという。

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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(3) 

保護説得と親子関係(3) 解離

親は子どもに謝罪すべきか否か(3)


 前回の「保護説得と親子関係(2)」で、 「traumaの症状は、戦争・レイプ・誘拐・災害・略奪・事故・暴行・監禁などの衝撃的な体験によって生じる」、その衝撃度は「その人の性格や、出来事そのものの規模によって異なる」と述べた。

 では、トラウマの症状が出ているのに適切なケアが行われなかった場合、あるいは精神的衝撃がその人によってより重かった体験者は、どのような精神疾患になるのか。
 『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』に沿って、述べることにしたい。

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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(4) 

保護説得と親子関係(4) 依存

親は子どもに謝罪すべきか否か(4)


 ブログのタイトルにあるTSDPost Traumtic Stress Disorder)を、『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』(以下、すべてがわかる本と表記)を引用しながら、説明することにする。

「トラウマの被害として、一般によく知られているのは、PTSDでしょう。災害や事件などにあって、その体験がトラウマとなり、生活に支障が出ている状態を指します。
 ただ、こうした基礎知識は普及しているのですが、PTSDが体験後一カ月以上経過して、はじめて診断されるということは、あまり広く知られていないようです。
 テレビや新聞で『災害の直後にPTSDになった』と報道されることがありますが、これは誤りです。PTSDはトラウマ反応が消えず苦しむことです」
(16頁) 

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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(5) 

保護説得と親子関係(5) 無知蒙昧

親は子どもに謝罪すべきか否か(5)


 前回のブログでは、『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』をもとに、PTSDの症状を説明した。このPTSDというやっかいな精神疾患をさらに考えていきたい。

 最初に、「高山牧師への質問書」の中で、{精神科医によってPTSDと診断されたのは7人になった」と書いたが、「親子関係(3)」で述べたように、1人は「解離性障害」と診断されたため、正確には6人である。訂正しておきます。

 6人のうち4人は、それぞれバリエーションはあるものの、『すべてがわかる本』で説明された通りの、1カ月以上トラウマ症状が続いていたことから、PTSDと診断されたが、残る2人(男性と女性)は監禁から10年以上が経過してから、すなわち結婚し家庭をもってから、トラウマ症状が生じ、いずれも最近になって、PTSDと診断された。

 本ではこうした事例の紹介とその解説がなされていないが、どう解釈したらいいだろうか。

 なお、6人のうち3人は脱会した元信者。2人は統一教会に戻った現役信者。もう一人は、脱会後、再び教会に戻ったあと、PTSDと診断されている。

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