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親は子どもに謝罪すべきか否か?PTSDについて考える(6) 

保護説得と親子関係(6)

親は子どもに謝罪すべきか否か(6)

 投稿ありがとうございました。いろいろ再認識させられました。このテーマではこの記事が最終回です。 

 これまでの記事を整理すれば、最初に(1)で問題提起を行うとともに、保護説得後の親子関係の状態を紹介し、(2)(3)(4)(5)で、親の保護(拉致監禁)による子どもへの心的外傷(トラウマ、ポストトラウマ)について、詳細に述べた。
 最終回では、問題提起(親は子どもに謝罪すべきか否か)に対する回答を綴ることにする。
 
 たとえば、親からみて子どもが何か悪いことをしていると思ったとき、子どもを注意し、叱る。親として当然の行為である。そのときに子どもが「うっせえな」と反抗的な態度を取れば、親はカッとなる。これも、ごく自然な感情である。

 カッとなり、思わず、そばにあった灰皿を投げつける場合だって、ごく稀にはあるかもしれない。
 それが、運悪く、子どもの眉間にあたり、額が割れ、血が流れる。 

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保護(拉致監禁)説得の本質とは何なのか。 

保護説得と親子関係(7)

「親は子どもに謝罪すべきか否か」のテーマで、6回にわたって述べてきました。だいたい書き尽くしたかと思っていたところ、「猫」さんから投稿がありました。<まだ理解されてないことがあるのだなあ>とつくづく思いました

 そこで、この投稿に返信するという形で、テーマの補論といたします。
 直接には投稿を批判するわけですが、あくまで補論の材料とするだけで、猫さんを個人的に批判したいという意図は毛頭ありません。誤解なきようにお願いいたします。


 はじめに、猫さんの投稿の全文を引用しておきます。私がコメントするのは下線部分

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監禁した側(親)と監禁された側(子)の対話? 

保護説得と親子関係(8)

『我らの不快な隣人』の第?部の主人公は宿谷麻子さん(保護説得によって脱会)。その麻子と母親とのトークショーが「拉致監禁をなくす会」の主催で、昨年の11月15日、渋谷の「フォーラム8」で開かれた。出席者は約60人。

 監禁した側(親)と監禁された側(子)の対話は、おそらく世界でも初めての試みだろう。

 これから数回にわたって、トークショーを掲載する。
 保護説得を体験された信者・元信者のみなさん、また保護説得を実行された信者・元信者のご家族、保護説得を検討していらっしゃる信者のご家族には是非とも目を通していただきたいと願っています。親子それぞれの気持ち・心理がよく理解できるはずです。

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監禁した側(親)と監禁された側(子)の対話? 

保護説得と親子関係(9)

アベルと嘘

司会:ありがとうございました。その無理さが(アベルの指示に従って親子関係を良くしようとする麻子の無理さが妹に)気味悪く思われたと言うことですね。
  (妹さんが変化に気付かれ)、麻子さんの入信を知ってから、お母さんは教会側の責任者と何かやりとりがありましたか。

母:それはないです。反対に親戚に相談して、麻子をどうしたら良いか相談しました。私は、あまり週刊誌とか世間のことは知らなかったので、どうして良いか分からなくて、それで親戚を頼ったんです。
  親戚と、それこそ、こそこそと会って、麻子に内緒で相談していました。
 
 その結果、主人の弟に説得してもらって、麻子はやめるということになったんです。それならと、主人の弟と麻子と主人の3人で、麻子が通っているホームへ行って、脱会の届けを出したんです。

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監禁した側(親)と監禁された側(子)の対話? 

保護説得と親子関係(10)


表現できない痛み


司会:親子同士で話が通じ合わないとか、誤解を生じたままだという部分がどんどん問題を深刻化していくということがあるわけですが、米本さんと麻子さんが作成された表のなかに1994年5月の子どもの動きと親の動きというのがあります。

 ここを見てみますと、麻子さんは山中湖畔のマンションから逃げ出して、一時期、新宿教会周辺のホームを転々とされました。それに対してご家族は新宿界隈を探し回わる。
 そのときの様子をちょっと触れていただければと思います。 

娘:山中湖畔から脱出したときに、まず最初に、アベルに電話を入れました。
 新宿で待ち合わせしました。
 そこでアベルに会って、初めて、すごくほっとしました。

 このままの拉致監禁の精神状態でしたら、精神は死んでしまうと思うほど、気持ちはズタズタになっていたので、逃げてアベルの元に戻ったときに、すごくほっとしたのを覚えています。

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